これからの時代は説明型営業から質問型営業へ!営業の仕事が楽しくなる理由とは

2021年10月7日公開

これからの時代は説明型営業から質問型営業へ!営業の仕事が楽しくなる理由とは

お客様のところを訪問して、まともに会話してくれなかったり、アポイントがキャンセルさたりすると、営業の仕事は大変だし、厳しいし、辛いと思ってしまいますよね。しかし、これからの時代にあった営業=質問型営業を取り入れることで、営業の仕事が楽しくなるかもしれません。そこで今回は、質問型営業の開発者で、3万5千人を超える営業担当者に質問型営業を教えてきた青木毅氏に、これからの営業について根掘り葉掘り聴いてきました。
ー登場人物ー

青木 毅(あおき たけし)

株式会社リアライズ代表取締役

飲食業・サービス業・不動産業を経験後、米国人材教育会社代理店に入社。営業担当者1000人以上の中で、5年間の累計業績1位の実績を上げる。1997年にリーダーシップ部門代理店へ移籍。1998年には個人・代理店実績全国第1位となり、世界大会で世界大賞を受賞する。2002年に独立し、株式会社リアライズ(本社:京都府)を設立。現在、官公庁、上場企業から中小企業まで、実践営業を必要とする、ありとあらゆる業界の営業マン育成の依頼を受け「質問型営業」の指導を行っている。また、2002年に『ビジネスリーダーの質問力』(角川SSC新書)を出版してから、コンスタントに著書を出版。2019年には質問型営業®本シリーズは国内15冊・海外7冊を合わせて累計20万部突破するなど著者としても活躍。

株式会社リアライズ公式ホームページ:https://e-realize.jp/

青木毅の質問型営業®公式ホームページ:https://s-mbc.jp/

 

えるビー

LB MEDIAのインタビュー記事に出没。得意技はインタビューの時に、なんで?どうして?とどんどん突っ込むこと。趣味は名言集め。今年の目標はLINEスタンプになること。

 

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ISDロジックとの出会いから質問型営業へ

えるビー|青木先生といえば、質問型営業ですが…青木先生が商談の中で積極的にお客様に対して質問するようになったきっかけとかあるんですか?

 

青木氏| 今から22年くらい前…1999年頃にISDロジック(ロジック・ブレイン分析の基本メソッドで、自己理解・相手理解を体系化したもの)に出会ったことです。

 

えるビー| えっ???ISDロジックですか?

 

青木氏| 1999年頃はちょうどインターネットが登場したことで、誰でも必要な情報をインターネットで調べることができるようになった時期です。

 

えるビー| ふむふむ。

 
青木氏|その頃、私は教育商材の営業をしていました。そして、お客様に対して、商品・サービスの説明で売ろうとする営業。つまり説明型営業スタイルに対して、限界を感じていました。
 
えるビー| そうだったんですね。
 
青木氏|この時期に服部社長(現 株式会社ロジック・ブレイン代表取締役社長)に出会い、ISDロジックを知り、自分と人は違うのだということに気がつきました。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏|自分とお客様の個性が違うなら、考え方や価値観が違う。それなら、お客様のことをより深く知るにはお客様に聴くしかないと考えるようになりました。
 
えるビー| なるほど!
 
青木氏|そこから、商談の際にお客様のことを知るために、色々と質問するようになりました。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏|お客様に質問をして、話を聴いていくうちに、どんどんお客様に対する理解が深まっていきます。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏|そうすると、自然にお客様のニーズを引き出せて、そしてそのニーズに対してベストな提案ができるようになりました。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏|そして次第に成果が出るようになり、紹介もいただけるようになっていき、営業する際には熱心に質問を使うようになりました。
 
えるビー| なるほど!そうだったんですね。ちなみに今のように質問型営業を教えるようになったきっかけはなんだったんですか?
 
青木氏|教育商材の営業から、スカイプを使ったコーチングの仕事をしていた時です。ちょうど時期としてはリーマンショックの頃です。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏|この頃は、コーチングの営業には質問型営業を取り入れていました。そして、新規の契約が獲得できたり、紹介をいただいたりと質問型営業の成果を感じていました。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏| 質問型営業で成果が上がると確信を持つことができていましたが、今のようにセミナーや研修などはまだ行っていませんでしたが、ある時クライアントから営業を教えて欲しいとお声がけをいただきました。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏| そこで、試しに教えにいったところ…そこではまだ説明型の営業をしていました。
 
えるビー| えっ!
 
青木氏| コーチングはセッションを繰り返すことで悩みを解決できる素晴らしい手法です。しかし、営業が得意な自分にはもっと他にやるべきことがあるのではと考えました。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏| そして営業に悩んでいる人がいるなら、私がやってきた質問型営業を伝えていこうと思い、質問型営業セミナーや研修をスタートしました。
 
えるビー| そうだったんですね!ISDロジックとの出会いから、質問型営業が生まれたとは思ってもみませんでした。
 

人を動かす質問の力とは

えるビー|質問型営業での質問は、「お客様が解決に乗り出す」=「人を動かす質問」と考えられていますが…質問で、どうして人が動くんですか?
 
青木氏|人は質問されると、考えます。そして、自分の思いを思い出し、気づきを得ます。
 
えるビー| ???
 
青木氏|どうしたいのですか?と繰り返し質問をされると、自分の思いを思い出し、その思いが大きくなると人は勝手に動き出します。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏|世の中に流されていくうちに、本当に大事なことを忘れてしまっている人が多いのではと考えています。
 
えるビー| あっ…
 
青木氏|他人が言うことに振り回されている時に、質問されると…自分にとって本当に大事なことを思い出します。だから人は質問によって動くのです。
 
えるビー| なるほど!
 
青木氏| 例えば、お客様との商談の際に「このままだったらだめでしょう」と言ってしまう営業担当者は多いと思います。しかし、これは質問ではありません。
 
えるビー| うん???ついつい、言ってしまいそうですが…
 
青木氏|「このままだったらだめでしょう」は、質問ではなく、強制です。強制では、人は動きません。だから成果が出ないのです。質問は気づきを与えるもので、強制ではありません。
 
えるビー|ふむふむ。
 
青木氏|そのため、この場合は「このままだったらだめでしょう」ではなく、「このままで良いですか?」と質問をします。
 
えるビー| なるほど〜「このままで良いですか?」と、質問されると…考えちゃいますね。
 
青木氏|えるビーちゃんは、今「このままでいいのかな?」とか考えましたよね。つまり質問は、考える余白を相手に与えます。
 
えるビー|たしかに!
 
青木氏|このように質問は、質問された相手に考える余白を作り、気づきを与える。だからこそ、質問には人を動かす力があります。
 

営業を楽しめる人と営業で苦しむ人との違い

えるビー| 青木先生は、今までたくさんの営業担当者と接してきていると思うでのすが…営業を楽しめる人と苦しむ人には違いってありますか?

 

青木氏|いくつかありますが、まずは営業を楽しめる人は言い訳をしない人が多いと思います。その一方で、営業で苦しむ人は言い訳が多い気がします。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|例えば、コロナ禍により、今までのように対面で商談が難しくなり、オンラインでの商談に切り替える必要がでてきた人も多いと思います。

 

えるビー| たしかに!インタビューも対面が当たり前でしたが、今はオンラインが中心になりました。

 

青木氏|オンラインでしか商談ができなくなったことで、オンラインでは難しい。対面が最善で、オンラインでは、成果が出ない。商談ができないと思っている方もいます。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|けれど、本当にそうでしょうか?

 

えるビー| ???

 

青木氏|私は、オンラインしか手段がないなら、オンラインで最善の営業ができるようにすればいいだけだと思います。

 

えるビー|

 

青木氏|対面でないと、最善の営業ができないというのは、言い訳にしか過ぎません。

 

えるビー| たしかに…そうかもですが…

 

青木氏|対面と同じ成果をあげるために、できることはたくさんあります。例えば、面談の回数を増やすとか、小まめにメールや電話をして接点を増やすとか。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|それにも関わらず、言い訳ばかりして、今までのやり方に固執してしまう人は自分の成長を止めてしまい、そして自分の能力に制限をかけてしまいます。

 

えるビー| こわっ…

 

青木氏|反対に、言い訳せずに現状で常に最善の方法を模索し、今までのやり方に固執せずに、新たなチャレンジをする人は、自分の成長を止めることなく、そして自分の能力に制限をかけてしまうことがありません。そのような人はきっと、営業だけでなくどのような仕事でも楽しめると思いますよ

 

えるビー| なるほど〜その通りですね。他にも、営業を楽しめる人と苦しむ人との違ってありますか?

 

青木氏|思考ですね。

 

えるビー| 思考???

 

青木氏|営業を楽しめる人は思考がシンプルです。反対に苦しんでいる人は思考が、複雑で、自分で難しく考えてしまう傾向があると思います。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|営業って厳しいな、難しいな、辛いなと思っている人は、自分が扱っている商品やサービスを欲しい、必要だと思っていない人に対して営業してしまい…断られたり、水をかけられたりした経験から、営業は苦しいものだと感じていると思います。

 

えるビー| えっ???営業ってそういうものでは。

 

青木氏|営業は、自分が扱っている商品やサービスを欲しいと思っている人に対して、提案することが仕事です。提案した相手が欲しいと思っていないなら、次に行けばいいだけです

 

えるビー| たしかに!

 

青木氏|営業担当者は、進んで動く人、購入してくれる人を探せばいいだけです。そうすれば、厳しいお断りにあうこともありません。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|つまり、営業を楽しめる人は思考がシンプルで、営業で苦しむ人は、自分で営業という仕事を難しくしてしまっていると思います。

 

えるビー|営業という仕事は、シンプルに欲しがっている人を探すことと考えれば、とても楽になりますね!ちなみに他に違いはありますか?

 

青木氏|そうですね。営業を楽しめる人は相手、お客様のために営業をやっていて、一方で営業で苦しんでいる人は、自分のために営業をやっていると思います。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|例えば、自分がベンツに乗りたいから、旅行にいきたいから、今月の目標まであと一契約足りないからと、自分のために営業をやっている人は、購入する気持ちがない人に対して、無理に営業しようとしてしまいます。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|どうしてもあと一契約欲しいと思ってしまい、強引に勧めてしまうこともあるでしょう。そしてその結果、厳しいことを言われてしまい、営業って苦しいものだと思ってしまいます。

 

えるビー| たしかに…そうかもですね。

 

青木氏|しかし、お客様のために営業をやっていると、強引に勧めなくなります。

 

えるビー| えっ!それだと…売上が…

 

青木氏|それでいいのです。購入してもらえる人に購入していただくことが営業の仕事です。提案したけれど、断られたなら、今その人が購入するタイミングではないだけです。それなら、購入してもらえる人を見つければいいだけの話です。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏| それよりも、お客様のためになることをやる。何かお役に立てるようなことはないかなと、思い、行動することで、自然と成果が生まれます。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏| 営業は自分や自社のためにやるものではありません。お客様は欲しい、必要だと思えば自ら買います。だからこそ、営業担当者は、お客様の専門アドバイザーとしてのスタンスを忘れてはいけません。

 

えるビー| なるほど〜

 

青木氏| つまり、相手の役に立ちたいと思う心、お役立ちの心を持つことで、営業は辛く、苦しいものではなく、楽しいものになります。だからこそ、私は質問型営業の研修の中でお役立ちの心が育つように指導しています。

 

お役立ちの心を育てるとは

えるビー| 営業を辛く、苦しいものではなく、楽しいものにするためには、お役立ちの心が重要、大事だと思うのですが…お役立ちの心と言われてもいまいちピンとこないのですが…

 

青木氏| 例えば、被災地のニュースを聞いて、自分にできることは何かないかな?と思ったことはないですか?

 

えるビー| はい!あります。なかなか行動には移せてないけど…

 

青木氏|えるビーちゃんが、被災地のニュースを聞いて、自分にできることは何かないかなと思った気持ちが、お役立ちの心です。

 

えるビー| なるほど〜分かった気がします。

 

青木氏|お役立ちの心を育てるために、質問型営業の研修では、営業のやり方を教えるのではなく、人を育てています。

 

えるビー|???

 

青木氏|相手の言葉を熱心に聴いて、相手のために役立つことをやりたいと思う気持ちが湧き上がるような人へ育てていきます。

 

えるビー| そうなんですね。

 

青木氏|だからこそ、質問型営業の研修では、次の研修までの2週間の過ごし方を教えるようにしています。

 

えるビー| えっ!(驚)

 

青木氏|研修を受講しても、身につけることができなければ意味がありません。だからこそ、質問型営業の研修では、営業のやり方を教えるのではなく、人を育てる内容になっています。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|やり方を教えれば、一時的に売上が上がり、一時的な成果を手に入れることができます。しかし、一時的な成果と人生の成果は違うからこそ、質問型営業の研修では、相手の話を熱心に聴いて、相手のために役立つことをやりたいと思う気持ちが湧き上がるような心になれるように指導しています。

 

えるビー| なるほど〜だから質問型営業の研修で、営業が辛くて、苦しいと感じていた人では、楽しいに変化して、人としてどんどん成長することができるんですね!えるビーも受講してみたいです!

 

これからのビジョン

えるビー| 最後に、青木先生のこれからのビジョンについて教えてください。

 

青木氏|今までは、個人にフォーカスして質問型営業を教えてきましたが、これからは組織にフォーカスして質問型営業を伝えていきたいと考えています。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|営業もチームで行うと、成果が倍々になっていきます。だからこそ、これからの営業組織ではチームワークが必要です。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|チームが力を発揮するには、一人一人がお互いの個性を認め合い、尊重することが大前提です。そこで、私に自分と人は違うのだということに気づかせてくれたISDロジックを改めてロジック・ブレインさんで学び直しています。

 

えるビー| そうだったんです。

 

青木氏|これからは、今まで以上に企業ぐるみで質問型営業に取り組んでいいただけるような活動を、増やしていく予定です。

 

えるビー| ふむふむ。

 

青木氏|そして、90歳になっても営業を教えていきたいと思っています。

 

えるビー| 青木先生なら、90歳どころか、100歳になっても現役で楽しんで営業の人たちを育てていそうですね!本日はありがとうございました。

 

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青木先生とのインタビューを終えて

えるビー|今回は営業の話を中心にお話を伺いましたが、質問型営業で身につけることができる習慣は、これからの時代を生き抜く、自分らしく楽しく過ごすために必要なことなのでは?と思いました。

 

変化が早く、先が見えない時代だからこそ、言い訳をしない、シンプルに考える、そしてお役立ちの心を育てることは、営業の仕事以外でも必要ですよね!

 

全部できていると胸を張って言えるようになるまで、意識して身につけていきたいと思います。

 

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