
2020年10月28日公開
HRテックとは?わかりやすく解説するとともに導入メリットも紹介
「最近よくHRやHRテックと聞くけど、いまいちどんなものかわかっていない」
「HRテックではどんなことができるの?」
このような思いや疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか?
昨今、インターネットやWebなどの普及により、IT業界は急速に発展を遂げています。そのため、企業などのシステム開発やサービス、経営管理など、利用場面は多岐に渡っています。
そこで今回はHRテックについて、下記の項目を中心に解説します。
・HRテックの主な5つの機能
・HRテックを導入する3つのメリット
・HRテックを活用するうえでの課題と解決策
コロナ禍以降、リモートワークが広く定着した今は、人事や労務の体制を見直すタイミングでもあると思います。
採用業務や人材管理を効率化したいと思っていながら、何をすべきか手をこまねいている方は、ぜひご一読ください。
目次
HRテックとは?なぜ今注目されているのか
HRテックという名称は、「Human Resourc(人材)」と「Technology」を掛け合わせてできた造語です。
HRテックを簡潔に説明すると、人事に関する様々な仕事をテクノロジーの力で効率化し、管理をしやすくするためのサービスやシステムのことを指します。
最近では、HRテック以外にも、様々なテクノロジーと業界や分野が合わさった〇〇tech(テック)が存在します。具体的には下記が一例です。
・AgriTech(農業)
・AutoTech(車)
・EdTech(教育)
・FinTech(金融)
・MedTech(医療)
人事など人材に関わる分野だけでなく、私たちの実生活に関わるようなものから専門的なものまで幅広い分野とテクノロジーが掛け合わされているのです。
なぜこんなにも、HRテックや〇〇テックというものが今注目を集めているのでしょうか?
その原因の一つとして、労働人口の減少があげられます。 厚生労働省の調べによれば、2000年〜2017年の間で労働人口が約200万人減少しています。
出典元:厚生労働省白書
労働人口が減っていることにより、数よりもいかに優秀な人材を確保するかが重要視されるようになりました。
そこで、優秀な人材を確保するために注目されているシステムが、HRテックというわけです。
現在では、様々なHRテックを用いたサービスが存在しており、できることや機能にはそれぞれ違いがあります。
HRテックの主な5つの機能
優秀な人材を確保するのにHRテックが使われていると紹介しました。しかし、HRテックには人材確保以外にも、様々な機能があります。主なHRテックの機能は以下の5つです。
・給与管理
・勤怠管理
・人材管理、評価
・採用管理
・育成、教育
早速、詳しく解説していきましょう。
給与管理
HRテックの代表的な機能に、給与管理機能があります。名前の通り、社員の給与を管理する機能です。
勤務時間や出勤日をPCの起動やシャットダウンによって正確に把握し、給与に反映することもできます。社員もいちいちタイムカードで打刻する必要がなく、申請漏れなどの防止も可能です。
また、社会保険やマイナンバー管理など労務に関わる機能も、利用するサービスによっては含まれています。
社会保険などの場合、書類を記入する手間が発生します。しかし、HRテックを導入することで手間やコストの削減にも繋がります。
勤怠管理
次に紹介するのは、勤怠管理機能です。
先ほど紹介した給与管理機能と重複する部分もありますが、こちらは主に出退勤、勤務時間、有給休暇の状況などを把握するのに優れています。
また最近では、LINEやスマホから出退勤の連絡ができるHRテックを用いたサービスもあります。
スマホやLINEなどから簡単に打刻や出退勤の連絡ができるため、外勤からそのまま直帰したい場合は手元のスマホから申請することも可能です。
人材管理、評価
3つ目に紹介するのは、人材管理や評価に関する機能です。
次に紹介する採用管理と似てはいるものの、こちらは入社後に利用されるHRテックの機能です。経歴や性格など様々なデータから、入社後この社員にはこういった仕事が向いているなど、AIが客観的に対象を分析し評価します。
人事担当者は、人材管理や評価に多くのコストがかかっています。しかしHRテックのサービスが、人材管理や評価を代わりに請け負ってくれるので、結果的に負担の削減が可能です。
またHRテックを導入すれば、データの共有も非常に簡単になるので便利です。
採用管理
次に紹介するのは、採用管理の機能です。こちらは、入社前の採用面接や選考を進める際に活躍する機能です。
客観視されたデータに基づくことで、これまでのように人が選考するよりも、公平かつ正確な選考が可能になるでしょう。
大手企業などは採用面接にあたり、膨大な量の履歴書などの書類が届きます。その一つ一つに目を通すのは、かなりの時間やコストがかかる作業です。HRテックを導入すると、設定した内容を元に代わりに書類選考をしてくれるので、非常に大きなコストの削減に繋がります。
育成、教育
次に紹介するのは、採用管理の機能です。こちらは、入社前の採用面接や選考を進める際に活躍する機能です。
客観視されたデータに基づくことで、これまでのように人が選考するよりも、公平かつ正確な選考が可能になるでしょう。
大手企業などは採用面接にあたり、膨大な量の履歴書などの書類が届きます。その一つ一つに目を通すのは、かなりの時間やコストがかかる作業です。HRテックを導入すると、設定した内容を元に代わりに書類選考をしてくれるので、非常に大きなコストの削減に繋がります。
HRテックでできることは?活躍する場面を紹介
HRテックに多くの機能があるのは理解できますが、特にどういった場面で活躍することが多いのか疑問に思いませんか?
ここでは、HRテックが主に活躍する場面を紹介しましょう。
HRテックが特に活躍するのは、人材管理の場面です。
採用時から入社後まで、HRテックは人材管理において非常に大きな役目を担います。
労働人口が減少している現在では、優秀な人材を確保するのには大変な労力が必要です。
特に人事においては、面接者の主観が入ることで、客観的な評価ができない可能性も考えられます。その結果、本来自社に必要な優秀な人材を見落としてしまうという状況もありえるでしょう。
HRテックを導入する3つのメリット
ここまで、HRテックでできることや機能について紹介してきました。
そこで次は、HRテックを導入するとどのようなメリットが得られるのか紹介していきたいと思います。HRテックを導入する主なメリットは、以下の3つです。
・優れた人材を獲得できる
・生産性の向上に繋がる
・コストの削減が可能
それでは詳しく紹介していきましょう。
優れた人材の獲得ができる
まず紹介するメリットは、先ほども紹介した通り優秀な人材の獲得です。
HRテックのサービスを利用すれば、客観的な判断ができるうえに採用プロセスの効率化も図れます。
人事の人手が足りない場合や、一気に大量の人数をこなさないといけない場合には、HRテックのサービスを導入するのは非常に有効です。
HRテックを導入することで、優秀な人材を見落とすことなく、正確な評価、選考が可能になります。
生産性の向上に繋がる
次に紹介するのは、生産性の向上に繋がるという点です。
先ほどのメリットと重複する部分もあるものの、HRテックを導入すれば、面接にかける手間も削減されます。
他にも、労務管理や育成の管理においても、HRテックのサービスを利用すれば今までと比較して作業の効率化を実現できます。
今まで時間のかかっていた作業を効率化できれば、他の作業に充てる時間が増えるため、必然的に生産性の向上が可能です。
コストの削減が可能
最後に紹介するメリットは、コストの削減です。
前述の生産性の向上を実現するためには、今まで多くのコストがかかっていた部分の削減が重要です。
HRテックを導入すれば、採用活動の書類選考における手間などを省くことが可能です。
他にも、採用した新入社員の研修にもHRテックの機能が使えます。社員がつきっきりで教育するのではなく、システム上で研修を行うことが可能です。
このように、今までは人が行っていた作業をHRテックのサービスやシステムに任せることで、人員コストの削減などが可能です。
HRテックを活用するうえでの課題と解決策
HRテックの導入は多くのメリットをもたらしますが、適切に活用するためには、いくつかの課題を理解し、対策を講じることが重要です。以下では、導入時の注意点とその解決策について詳しく解説します。
データセキュリティ
HRテックでは、従業員の個人情報や給与データ、評価情報など機密性の高いデータを取り扱います。そのため、不正アクセスや情報漏洩のリスクを最小限に抑えるための対策が必要です。
解決策
・強固な認証システム(多要素認証など)を導入する
・データの暗号化やアクセス権限の管理を徹底する
・セキュリティ対策が万全なクラウドサービスを利用する
・定期的なセキュリティ監査を実施し、リスクを洗い出す
・従業員の情報管理に対するリテラシーを高めるために定期的に研修を実施する
これらの対策を講じることで、情報漏洩のリスクを大幅に低減し、安心してHRテックを活用できます。
自社の業務フローや既存システムとの適合性
HRテックのシステムには様々な種類があり、企業ごとに業務プロセスや組織文化が異なるため、導入するシステムが自社に合っていないと、逆に業務効率が低下する可能性があります。
解決策
・現場の人事担当者や従業員の意見を取り入れながらシステム選定を行う
・小規模でのテスト運用を実施し、業務フローに適合するか確認する
・既存のシステムとの連携性を事前に検討し、スムーズな統合を図る
・カスタマイズ性の高いHRテックを選択し、自社に最適化する
システム選定の段階で慎重に検討することで、導入後もスムーズに業務に組み込むことが可能になります。
従業員の理解と協力
HRテックの導入後、従業員が新しいシステムに慣れるまで時間がかかることがあります。特に、従業員間でITリテラシーに差がある場合、一部の従業員にとって負担が大きくなる可能性があります。
解決策
・導入前にトレーニングや説明会を実施し、システムの使い方を丁寧に指導する
・操作マニュアルやFAQを整備し、いつでも確認できる環境を作る
・サポート窓口を設置し、従業員が気軽に相談できる体制を整える
・導入初期には人的サポートを強化し、徐々に自走できるよう支援する
適切なサポート体制を整えれば、従業員もスムーズに新システムへ適応できるようになります。これらの注意点は確かにHRテック導入時に発生しうる課題ですが、適切な対策を講じることで十分に解決が可能です。
セキュリティ対策を強化し、自社に適したシステムを導入し、従業員がスムーズに適応できる環境を整えれば、HRテックのメリットを最大限に活かすことができます。
まとめ
今回は下記の項目を中心に、HRテックについて解説しました。
・HRテックが注目されている理由
・HRテックの主な5つの機能
・HRテックを導入する3つのメリット
・HRテックを活用するうえでの課題と解決策
HRテックのサービスを利用すると、人事や労務などに関する問題の多くを解決することが可能です。労働人口が減少している日本では、業務の効率化やコスト削減は必須事項といえます。ぜひこの機会に、HRテックのサービス導入を検討してみてはいかがでしょうか?