2020年10月29日公開

人事担当者の悩みを解決する!職業適性検査を徹底解説〜基本知識から有効的な活用方法まで〜

人事担当者が受け持つ採用業務には悩みがつきません。

 

例えば採用の合否を決定する際、面接や学力テストだけでは「長く働き続けるとどうなるのか?」といった将来性や期待度を判断するのは難しくないでしょうか?

 

このような時に担当者が知りたい情報とは、

 

「本人が持っている今の能力と潜在的な能力は?」
「配属する部署で活躍できるのか、もしくはどの部署に配置したらいいのか?」

 

ではないでしょうか。ただ、この情報を数回のコミュニケーションだけで把握することは難しいです。そこで活用したいのが、今回ご紹介する職業適性検査です。

 

今回は、下記の項目を中心に解説します。

 

・職業適性検査の基本情報
・職業適性検査を行うと何が良いのか
・職業適性検査を活かした新しい採用方法

職業適性検査を採用する際に、ぜひ、参考にしていただけると嬉しいです。

 

職業適性検査とは

職業適性検査とは端的に言うと、受験者の潜在能力をテストで測定し職に対する適性を見極める検査です。

 

ハローワークでも長年導入されているアメリカ発の検査、「厚生労働省編 一般職業適性検査(通称GATB:General Aptitude Test Battery)」が国内では主流ですが、他にもSPI3など職業適性検査は数種類存在します。

 

GATBについてはこちらを参考にしてみてください。

一般社団法人 雇用問題研究会

 

導入する理由

職業適性検査は、主に検査を実施する側が、検査を受ける側の素質を見るために行います。逆の立場からも、検査項目の内容を利用し受けた側のセルフチェックを目的とする使い方もあります。

 

実施側、受ける側、共通した目的は検査した人間の素質を客観的に可視化することです。

 

人事担当者の目線で言えば、面接だけでは面接者の本質まで見抜くことはかなり難しいものがあります。そこで、職業適性検査の出番となります。

 

ちなみに、ここで言う素質を見抜くというのは、才能のような特別な力を推し量るという意味ではありません。あくまでも職場環境に対する適応能力と今後の教え込まれる技術やスキルを習得していけるかどうかを見極めるという意味です。

 

検査自体はテンプレートとして決められた項目が用意されているため、導入することに手間はかかりません。職業適性検査を使用する際に重視するのは、検査結果の分析のみです。

 

どんなところで採用されているのか?

採用の現場以外では前述したとおり、受けた側の自己チェックのために受け自分自身の適性を理解するためにも使います。

 

実際に就職活動をしている学生に職業適性検査を実施することで、自身の希望と客観的な自身の素質を自覚させ、就職に対する考えと向き合うように促すことが可能です。

 

その結果、人によっては就職先を見直し、より自信を持って応募ができるようになります。

 

また就職だけではなく、既存の社員に対して行われることもあります。企業によっては部署の異動をする際にも参考資料として活用されるケースもあるようです。

 

職業適性検査を行うとどうなるのか

職業適性検査を行うことで、下記の2点を客観的に理解することができます。

 

・人間性・性格・興味など心理的な部分
・スキル・潜在的な将来性など能力的な部分

ここでは、それぞれの点について解説します。

 

人間性・性格・興味など心理的な部分

人間性や性格と言ったパーソナリティな部分、いわゆる「人格」を見極めます。人格を見極めることで、その人の土台を知り、倫理観を知ることは、ともに仕事をしていくパートナーかどうか見極める際に重要な部分です。

 

人格を見極めるなら面接の方が適しているのではないか?と考えることがありそうですが、実際はどうでしょうか?短時間で見極めるのは、難しいですよね。

 

面接では見極めるのは人格そのものよりも、対面して話をするためコミュニケーション力を見る方がいいでしょう。

 

応募者も合格するために、面接では色んな対策を練って望んできています。よって、その場で発せられる言葉の全てを信頼するのは良い判断とは言えません。そのため、面接では予期せぬ質問に対する反応や判断力といった、コミュニケーションでしか感じられない情報を取得します。

 

面接で人格を読み解くよりも、職業適性検査によって得られる客観的なデータを信頼する方が心理的な部分を把握しやすいでしょう。

 

そのため、職業適性検査で人間性や性格と言った人格を知ることで、その人の土台を見極めるのがおすすめです。

 

スキル・潜在的な将来性など能力的な部分

実際に今できるスキルや技術を見極めます。一般的な文章理解力、表現力、思考能力、課題を解決する力、それから作業の速さや正確さもここに該当します。

 

使用する職業適性検査の内容にもよりますが、人格を見極める記述式の検査と合わせて簡単な実技による技術的な能力検査を行うことが一般的です。誰でもできるような簡単な実技で、作業の速さや正確さを見極めましょう。

 

テクニカルな部分を理解することで、手先が器用で作業系の仕事に向いているのか、思慮深く物事を考えて答えを導きだすかを判断する要素になります。

 

そこからその人の持つ潜在能力や、将来任せられる仕事の種類を判断するために使いましょう。

 

職業適性検査のメリットとデメリット

ここでは採用活動の際に、職業適性検査を導入するメリット、デメリットについて解説します。

 

職業適性検査のメリット

職業適性検査を導入することで得られるメリットは多く、企業の採用活動や人材配置の精度を向上させることができます。ここでは、主なメリットを詳しく解説します。

 

客観的なデータに基づいた判断ができる

職業適性検査では、受験者の性格やスキル、適性を数値化し、客観的なデータとして確認することが可能です。面接官の主観や第一印象に左右されることなく、フラットな評価を行うための指標として活用できます。

 

配置・異動の判断に活用できる

採用時だけでなく、既存社員の配置転換や異動の判断にも職業適性検査を活用できます。各部署の特性に合わせた適材適所の配置を行うことで、従業員のパフォーマンス向上やモチベーション維持につながります。

 

採用活動の効率化が図れる

面接や書類選考のみでは把握しにくい情報を短時間で取得できるため、採用プロセスの効率化につながります。事前に適性を確認することで、面接の際により具体的な質問や判断を行うことができます。

 

入社後のミスマッチを減らせる

職業適性検査を導入することで、企業と求職者の相性をより正確に把握し、ミスマッチを防ぐことが可能になります。入社後の早期離職を防ぐためにも、有効な手段の一つです。

 

受験者にとっても自己理解の機会になる

企業側だけでなく、受験者自身も職業適性検査を受けることで自己理解を深めることができます。自分の強みや適性を知ることで、適切なキャリア選択を行うための参考材料となります。

 

職業適性検査のデメリット

一方で、職業適性検査には注意すべきデメリットも存在します。導入を検討する際には、以下の点に留意する必要があります。

 

検査結果だけで判断するとリスクがある

職業適性検査の結果はあくまで参考資料の一つであり、全てをそのデータに依存して採用や配置を決定するのはリスクを伴います。面接や過去の経験、志望動機などの要素も総合的に判断する必要があります。

 

検査の種類によっては完全に公募者の適性を測れない

職業適性検査にはさまざまな種類があり、それぞれ測定できる項目が異なります。そのため、企業が求める人材の特性に合った検査を選択しないと、期待する成果が得られない可能性があります。

 

受験者の心理状態に左右されることがある

職業適性検査は、受験者の当日の体調や心理状態によって結果が変わることがあります。ストレスや緊張の影響で本来の能力が発揮できない場合もあるため、一度のテスト結果に依存しすぎないことが重要です。

 

費用や時間がかかる場合がある

精度の高い適性検査を導入する場合、費用がかかるケースがあります。また、検査結果の分析にも時間が必要となるため、採用スケジュールに影響を与えることもあります。

 

受験者が検査に対して不安を感じることがある

職業適性検査は、受験者にとって「自分の適性を評価される」というプレッシャーを与えることがあります。検査内容によっては「本当に自分に合った仕事なのか」という不安を抱かせる要因にもなり得るため、適切なフォローが求められます。

 

職業適性検査には多くのメリットがあり、適切に活用することで採用や人材配置の質を向上させることができます。しかし、検査結果に過度に依存しすぎたり、導入コストや受験者の心理面を考慮しないと、デメリットが大きくなる可能性もあります。

企業が職業適性検査を導入する際には、これらのメリット・デメリットを理解した上で、自社の採用戦略や人材育成の目的に合った形で活用することが重要です。

 

職業適性検査の実施形態・方法

実際の職業適性検査の実施形態や方法を解説していきます。

 

 ノーマティブ方式とイプサティブ方式

ノーマティブというのは規範的という意味で、質問に対して「はい」か「いいえ」で回答する、もしくは5段階式でレベルが設定され、どこのレベルに当てはまるか回答するといった方式です。

 

対してイプサティブ方式は、複数の回答の中から最も「当てはまるもの」と「当てはまらないもの」を選ぶ方式です。イプサティブ方式は回答数に上限がなく、該当するものを全て選ぶため比較するためのデータとしては向きません。

 

現在の職業適性検査の主流はノーマティブ方式で、実際にテストを受けるときの媒体はWEB、ペーパーテストどちらでも実施可能です。さらに、AIを活用した適性検査も増えており、リアルタイムでの回答分析や詳細なレポート作成が可能になっています。

 

また、職業適性検査は企業の業界や職種に応じてカスタマイズすることも可能です。特定の業務スキルを測るための専門的なテストを含めることで、より適切な人材評価を行うことができます。

 

 

職業適性検査の結果を利用して応募者を集める方法

職業適性検査は採用や育成のためだけでなく、採用の前段階である「応募者を集める」ことにも活かせます。ポイントは下記の3つです。

 

・見極める
・惹きつける
・そして、集める

「見極める」は、本来の職業適性検査の役割ですが、その前の「惹きつける」の段階で、は職業適性検査の結果を受験者にフィードバックが重要になります。ただ返すのではなく、フィードバック面談やキャリア面談を行い学生との自然な接点を持つことが狙いです。

 

そして「集める」の段階でも、インターン期間や新卒学生に向けて自己研究欲求をかき立てるように職業適性検査の結果をフィードバックし、検査を集客コンテンツ化するのがおすすめです。

 

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まとめ

今回は下記の項目を中心に職業適性検査について解説しました。

 

・職業適性検査の基本情報
・職業適性検査を行うと何が良いのか
・職業適性検査を活かした新しい採用方法

職業適性検査は本記事で取り上げた4つ以外にも数多くの種類が存在するので、選ぶ基準は会社によって違うでしょう。

 

新しい仕組みとして職業適性検査を導入する際は、運用している会社に相談するところから始めてみましょう。

 

目的は検査の導入そのものではなく採用の質を上げることです。そのことを忘れずに、自社にあった職業適性検査を導入してみてください。

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