
2021年4月21日公開
クラウド型の人材管理システムが「今」必要とされている理由とは
デジタル化が進み、私たちの暮らしもテクノロジーの力によってかなり便利になったと思いませんか?
それは仕事上でも同じです。人材管理業務をテクノロジーの力によって効率良く行える、クラウド型の人材管理システムがあります。
人事業務をアナログで管理するのは、かなり骨の折れる作業です。人事業務に関する情報を紙ベースで管理している場合、他部署と情報を共有しづらかったり、個人情報の漏洩の危険性が高まったりと、情報管理の観点からもリスクが高い状況でしょう。
そういった問題を解決してくれるのが、クラウド型の人材管理システムです。本記事では、人事の仕事を手助けしてくれるクラウド型の人材管理システムについて解説していきます。
目次
クラウド型人材管理システムとは
ここではクラウド型人材管理システムの基本をご紹介します。いろいろな単語が組み合わさっているので、分解して解説していきます。この項目で解説するのは以下の3つです。
・オンプレミス・パッケージングとの違い
・クラウド型の特徴
・人材管理システムとは
そもそもクラウドというのは、ネット上にあるサーバーやサービスを活用するので、パソコン本体のようなハード機器が存在しません。
まずはクラウド型とよく比較される、オンプレミス型とパッケージング型との違いから解説します。
オンプレミス型・パッケージング型との違い
オンプレミス型は、クラウド型と違い自社に専用のサーバーを設置し、インターネットを介さずに利用できる専用のシステムを指します。独自のシステムを構築するので、初期費用はかかりますが、自社仕様にカスタマイズできるのがメリットです。
一方で、ソフトを購入して自社のパソコンにインストールして使うものを、パッケージング型と呼びます。
Nortonやウイルスバスターのような「ウイルス対策ソフト」の導入をイメージすると、わかりやすいのではないでしょうか。一度インストールすれば、導入したパソコンでシステムを使用可能です。
クラウド型の特徴
クラウド型は、オンプレミス型と違ってサーバー実機を導入する必要がなく、インターネット上にあるサーバーを使用するので初期費用が抑えられます。パッケージング型とも違い、わざわざインストールせずシステムにログインするだけで使えるので、すぐに導入できます。
オンプレミス型・パッケージング型・クラウド型の違い
ネットにさえ繋がっていれば、パソコンだけでなくスマホやタブレットからもアクセス可能です。どこからでもどの端末でもアクセスできて、サーバーも買わずにすぐ使用可能というのが、クラウド型の最大の魅力です。
人材管理システムで管理できること
人材管理システムで管理できる主なものは、下記の通りです。
・人材育成、配置
・仕事の評価、報酬管理
こういった人事にまつわる業務を、人の力だけでなくテクノロジーの力を使って効率化が可能です。さらにシステムに蓄積されるデータを利用して、新しい採用戦略を生み出したり、人材管理に人の性格情報を役立てたりといった、ビックデータを活用した「攻め」の運用ができるのも特徴です。
人材管理に必要な4つの考え方
システムが導入されることで、効率的に人事管理業務を進められるのが最大のメリットです。ここではシステム導入によって改善できる、人材管理の本質や考えを整理しておきましょう。人材管理業務にとって大事な要素は以下の4つです。
・必要な人材の確保
・人材の能力開発
・人材教育
・モチベーションの活性化
それぞれについて解説します。
必要な人材の確保
必要な人材を確保する採用業務は、人事の仕事の中でも重要度が高いものです。自社が必要とする人材の確保は、どの企業の人事部にとっても命題でしょう。採用を成功させるためのポイントは3つです。
・自社が求める人物像を明確にする
・求職者の思考・性格・スキルを理解する
・採用計画をしっかりと作成する
自社が求める人物像は明確にできても、求職者の思考や性格を理解することは、簡単ではありません。多くの企業が、自社にとって理想の人材を確保するために、採用戦略を巡らせるなど努力をしています。
人材の能力開発
個々の能力を開発するためには、適切な人材配置が欠かせません。採用した人材の潜在的な能力・スキルを引き出すためにも、どこの部署でどのような上司、先輩の元で仕事をするのかを決める、人材配置は重要な仕事です。
効果的な能力開発を行うためには、本人の自主性をいかに引き出すかという点にかかっています。能力開発には、自主的な学習が欠かせないためです。
こういった活動を促すには、タレントマネジメントシステムを活用するのが効果的だといわれています。タレントマネジメントシステムの詳細については後述します。
人材教育
人材教育で大切なことは、会社への業績向上に貢献する意識を持たせることです。教育は、自主的に自分のスキルを磨き、自己研鑽して本人のためにする能力開発とは似て非なるもので、会社のために行います。既存の仕組みの中で、どう考えて行動すべきかを教えます。
人事には、貴重な人材資源を組織のために最大化させる使命があります。個人の主観ではなく、自社の課題に向き合い社員のレベルを向上させるために、人材教育が欠かせません。
モチベーションの活性化
モノ消費よりもコト消費が重要視されていったように、仕事も報酬のためだけでなく、企業理念や自分自身が働くことの意味合いといった価値観によって、モチベーションが左右されるようになっています。
昭和・平成そしてこれからは令和世代の人材が同じ組織で働くようになっていくと、モチベーションの活性化にも多様性が求められていくでしょう。給与や報酬面、肩書き、プライベートの時間、福利厚生の充実など、どの項目がモチベーションに繋がるのかはわかりません。
そのため、できる限り個々の社員の声を拾い上げ、モチベーションが活性化するような人事制度や評価制度などを考えていく必要があります。
人材管理システムの目的
人材管理業務の大切な要素を整理したところで、人材管理システムの目的を解説します。システムの導入で狙う主な目的は以下の4つです。
・生産性向上
・優秀な人材の確保
人事に関することをテクノロジーの力で効率化し、管理しやすくするシステムのことをHRテックとも表現します。
人事業務の効率化
システムを導入することで、人事業務の効率化が期待できます。具体的には、書類整理の時間、面接や面談の日取りの調整、計画の遂行などの人事に関わる業務を、人事管理システムによって一元管理が可能です。
これにより、関係するスタッフが一斉に情報を共有できるようになり、事務作業や確認作業といった作業の効率化を図れるようになります。
生産性向上
人事業務の中でもっとも時間を必要とするのが「採用」と「育成」とされています。この採用と育成に関係する人材管理システムも、数多く登場しています。これらの人事管理システムを導入することで、下記が可能です。
・個々のエンゲージメントやモチベーションを把握しやすくなる
感情の伴う人だからこそ、難しい部分をシステムによって補うことで効率化を図れば、時間を有効活用できるようになります。
優秀な人材の確保
作業の効率化や生産性の向上など、さまざまな改善がなされることによって、人事担当者は優秀な人材の確保のために時間を割くことが可能です。さらにシステムの力も合わせて使うことで、可能性が広がります。
例えば、大量採用における対応でも優秀な人材を見落とすことなく、評価・選考ができるようになるでしょう。一度に記憶しておけるデータの保存量や正確性は、人よりもシステムの方が信頼性が高いものです。
人とシステム、双方の良い点を活用し、優秀な人材確保に繋げましょう。
クラウド型人材管理システムの種類
次に、クラウド型管理システムの種類について具体的に解説していきます。ご紹介するのは以下の4つです。
・労務管理システム
・採用管理システム
・タレントマネジメントシステム
それぞれ簡単にご紹介します。詳しくはそれぞれのシステムを紹介している記事があるので、気になるシステムがある場合は、そちらを参考にしてみてください。
勤怠管理システム
従業員の出退勤管理を行うシステムです。従来のタイムカードはなじみ深いものですが、勤怠管理システムでは所定の行動により全従業員の出退勤の時間、休暇、欠勤などの管理を、全て自動で行えます。そのため人事は、必要な時に必要なデータを確認するだけですみます。
労務管理システム
労務管理システムは名前の通り、従業員の社会保険をはじめとする労務関係を効率的に管理するシステムです。年に数回の業務は、必要な書類を集めるためにいろいろな場所を探すことから始まるケースもあります。労務管理システムがあれば書類を探す必要はなく、システムの中で一元管理されているデータを確認するだけです。
採用管理システム
採用管理システムは、採用業務をサポートするシステムです。採用業務には、求人募集から選考まで幅広い作業が含まれます。採用管理システムを導入することで、採用に関連する業務や情報を一元管理できます。
採用管理システムの中には「採用活動にもマーケティングの考えが必要」という視点に立っているものも多く、システムを活用することで競合に負けない採用力を手に入れることも可能です。
タレントマネジメントシステム
タレントマネジメントシステムとは、最適化された人材配置や育成によってリーダーが育つことで、従業員が高いパフォーマンスを発揮できる環境を整えるという目的を持つシステムです。
タレントマネジメントは、一人ひとりの可能性を引き出すマネジメントの手法です。終身雇用制度が終わりを告げた今の時代にマッチした考え方でしょう。
タレントマネジメントとは欧米型のマネジメントで、日本の雇用形態とは合わないといわれてきました。しかしコロナ禍の影響もあり、古い慣習を捨てようとしている今、タレントマネジメントの導入と合わせて、システムの活用も検討するといいでしょう。
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引用元:株式会社ロジック・ブレインTOiTOi公式ホームページ
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まとめ
今回は下記の項目を中心に人材管理システムについて解説しました。
・人材管理として大切な4つの考え方
・人材管理システムの目的
・クラウド型人材管理システムの種類
クラウド型の人材管理システムは、これから人事の現場でますます定着していく、時代に合ったシステムといえます。システムの種類や、導入にあたっての必要な考え方を参考にしていただければ幸いです。