2020年11月18日公開

KPIとは?意味や設定方法、KGIとOKRの違いを解説

「KPIについて詳しく知りたい」
「KPI の設定方法やKGI、OKRとの違いについて知りたい」

 

このように考えている企業担当者の方へ向けて、本記事では、KPIに関して下記の項目を中心に解説します。

 

・KPIとは、目標を達成するための指標
・KPIを導入すれば、業務の見える化や社員のモチベーションが期待できる
・KPIは現実的に達成できる内容で、要点が絞られている必要がある

「KPIを活用して会社の業績を改善したい」「会社として一丸となって目標達成を目指したい」と考えているなら、参考にしていただけると嬉しいです。

 

KPIとはどんな意味?

KPIとは、簡単にまとめると「目標を達成するために、具体的に何を行う必要があるのか」を明記した指標です。

 

ただし、KPIを設定するには「目標の設定」と「目標達成に重要な要素の洗い出し」が重要です。

 

そこで下記では、KPIの設定に必要な「KGI」「KSF」といった用語について、KPIとの関係性をご紹介します。

 

KPIとKGIの関係

KGIとKPIの関係を簡単にまとめると、下記の通りです。

 

「目標(KGI)を達成するために必要な目標を、定量的に設定しよう(数値目標を設定しよう)」という考え方がKPIです。

 

主なKPIの例

・今年の売り上げを前年比10%向上させる

・純利益を〇円以上は確保する

・店舗当たりの売り上げを、1日〇万円以上にする

KPIは目的を達成するための手段・指標であるのに対して、KGIは目指すべき目標・ゴールそのものです。

 

明確な目標(KGI)を設定できているかどうかが、精度の高い手段(KPI)を作るうえでのポイントになります。

 

 

KPIとKSFの関係

KSFは、簡単にまとめると「目標(KGI)を達成するために必要な要素」を表したものです。

 

目標(KGI)を設定すると「目標を達成するために何をするか」を決める(KPIを決める)必要があります。KSFはこの「何をするのが重要なのか」という成功条件のことです。

 

KSFの具体例(レストランの売り上げを前月比10%のばす場合)

・客単価を上げる

・回転率を上げる

このようにKSFを洗い出したら、次にKPIへと落とし込みます。上記の例をもとにKPIを決めるなら、下記のようなKPIの例が挙げられます。

 

KPIの具体例(レストランの売り上げを前月比10%のばす場合)

・日替わりのセットメニューを充実させて客単価を上げる

・混雑する時間帯は時間制限を設けて、回転率を上げる

「目標を達成するために必要な条件とは何か」を考えることが、KSFの洗い出しにつながります。KSFが明確になると、より精度の高いKPIを設定できます。

 

 

 

KPIとOKRの関係

OKRは、目的管理のためのマネジメント方法です。

 

「目的」と「成果指標」を分解して考え、目的を達成するためには何を達成するべきか明らかにすることができます。KGIとKPIの関係に似ている点も多いですが、異なる点も多くあります。

 

 

 

KPIのメリット

「KPIを導入すると具体的にどんなメリットがあるのか分からない」という人へ向けて、ここでは、KPI導入のメリットについてご紹介します。

 

業務の見える化が進む

KPIを導入すると業務の見える化が進み、組織力の向上や社員のモチベーションアップが期待できます。

 

KPIを設定するには、社員個人が日ごろ目標達成に向けて何をするべきか明確にする必要があります。つまりKPIを設定するには、社員個人の業務を見える化する必要があるのです。

 

業務の見える化がすすむと「作業の属人化」を防げます。会社としては社員の急な休職・退職による業務混乱リスクに備えることが可能です。一方社員側としては、評価基準や具体的にするべき行動が明確になるので、仕事へのモチベーション向上が期待できます。

 

KPIを設定することで不透明な業務プロセスが少なくなり、会社側・従業員側双方にとってメリットがあります。

 

「仕事の進め方や評価基準が不明瞭で、メンバーの士気が下がっている」と感じているマネージャーの方は、この機会にKPIを導入し、個々人がやるべきことを明確にしましょう。

 

組織力の向上

同じ組織内で共通の目標(KGI)を持つことによって、社員間・部署間の連携が強くなります。

 

KPI・KGIを設定して目指すべき目標を明確にすると、目標を達成するために社員の結束が強まります。それにより、KPI導入前よりも組織力の向上が期待できます。

 

「部署間の連携が良くない」「部署内の団結力が弱い」と考えているマネージャーの方は、KPIを導入してみてはいかがでしょうか?

 

社員のモチベーションアップ

KPIの設定は、社員のモチベーションアップにも繋がります。

 

KPIを設定すれば、社員が達成すべき目標が明確になります。また目標を達成するためにするべき行動も明確になるため、仕事に前向きに取り組むようになるでしょう。

 

ただし、KPIが定量的に設定できていなかったり、達成困難なKPIが設定されたりすると逆にモチベーションが下がるリスクもあります。KPIを設定する時は「少し頑張らないと達成できない」ぐらいの目標を設定しましょう。

 

KPIの設定方法

「さっそくKPIを導入してみたい」という方へ向けて、ここではKPIの設定・導入方法についてご紹介します。

KPIの設定・導入の流れ

①目標(KGI)を設定する

②目標達成のために必要な要素(KSF)を洗い出す

③KSFをもとにKPIを設定する

各段階で具体的に何をするべきなのか、下記で詳しくご紹介します。

 

KGIを設定する

KPIを設定するには、達成すべき目標であるKGIを事前に設定する必要があります。

 

KGIを設定するコツは、具体的に数字を使って目標を決めることです。具体的には、下記のようなイメージでKGIを設定しましょう。

 

 

 

KSFを洗い出す

KGIが決まったら、次はKSFを洗い出します。このとき、できるだけ根拠のあるKSFを発見することが大切です。

 

たとえば「売り上げを50%アップしたい」と考えている飲食店経営者がいるとします。このとき、現実的に考えられる選択肢は下記のようなものでしょう。

 

・取り扱っている商品数を増やす
・広告をだして集客力を高める
・お店の営業時間をのばす

ここでもし過去の売り上げデータを参照し、「取り扱い商品を増やしたタイミングで売り上げが〇%伸びている」という事が分かれば、取るべき戦略が決定します。

 

もちろん上記3つの手段のうち、他の方法でも売り上げアップは期待できるでしょう。しかしより確実にKGIを達成するためには、KSFはできるだけ根拠のあるデータをもとに決めることをおすすめします。

 

KPIを設定する

KSFの洗い出しが終わったら、最後にKPIを設定しましょう。

 

上記の例をもとに「取り扱っている商品数を増やす」がKSF、「1年後に売り上げを50%アップする」がKGIの場合、KPIは下記のように設定できます。なお、取り扱っている商品が1つ増えるごとに売り上げが1%アップするものと仮定します。

 

KPI:1カ月ごとに取扱商品を5つ増やす

これで5商品/月×12カ月=60商品/年。つまり1年後には取り扱っている商品が60個増えます。KSFのデータが正しければ、1年後には売り上げが60%増えていることになります。

このようにKGIとKSFを参考にして、精度の高いKPIを設定しましょう。

 

SMARTを活用してKGIの効果を高める

「正しくKPIを設定できるか不安」という人は、「SMART」を意識してKPIを設定してみませんか?

SMARTとは

・S:Specific(具体性)

・M:Measurable(計量性)

・A:Achievable(達成可能性)

・R:Relevant(関連性)

・T:Time-bounded(期限) 

これらの項目を意識してKPI設定を行うことで、目標の達成可能性が高くなります。KPI設定が難しいとを感じている方は、SMARTを意識してみるのがおすすめです。

 

KPI設定時に注意すべきポイント

「KPIを導入する予定だが、はじめてのことなのでトラブルが発生しないか不安」という人もいるでしょう。そこで下記では、KPIを自社へ導入する際に注意すべきポイントについてご紹介します。

 

達成可能な目標となっているか

KPIを設定する前に、KGIは現実的に達成できる目標になっているかチェックしましょう。

 

「売り上げを10倍にする」「新商品を100個開発する」といった高い目標に向けてチャレンジするのは良いことです。しかし、現実的に達成できる目標でないと社員のモチベーション低下を招きかねません。

 

一方で、簡単すぎる目標を設定するのも考えものです。「普段通り仕事をすれば達成できる目標だから」と気が緩んでしまうと、業務の見える化や組織力の向上といった効果が思ったほど現れないこともあります。

 

KGIやKPIを設定する時は、「少し頑張らないと達成できない」程度の目標を設定すると良いです。

 

ボトムアップができてるか

KGIやKPIを設定するときは、現場社員からの意見を重視しましょう。

 

トップダウンでKPIを決めた場合、目標が現場の実態に即しておらず、KPIがうまく機能しない恐れがあります。そのため、KPIはマネージャーが現場に押し付けるのではなく、現場社員も交えて達成可能な目標を設定しましょう。

 

KPIの指標を絞り込む

KPIを設定する時は、指標の数を絞り込んで設定することをおすすめします。

 

「あれもこれもあった方が良い」とばかりにKPIを多く設定すると、無駄な指標や重複したKPIが混ざり込んでしまうことがあるでしょう。このような場合、KPIのメリットである業務の効率化や社員のモチベーションアップという効果が表れにくくなります。

 

KPIを設定する時は必要最小限の要素を抽出し、簡単・簡潔にまとめるようにしましょう。

 

まとめ

今回は、KPIについて下記のポイントを中心に解説しました。

 

・KPIは目標を達成するための指標
・KPIの設定には「KGIの設定」と「KSFの洗い出し」が必要
・KPIを設定する時は「SMART」を意識しよう

KPIは目標(KGI)を達成するための指標となるものです。「目標を達成するために、日ごろどのような点を意識して仕事に取り組めばよいのか」を考えることが、精度の高いKPI設定につながります。

 

また、KPIを設定する時は、KSFの洗い出しや「SMART」を意識することが大切です。KPIの精度が低いと、目標を達成できる可能性が下がってしまいます。

 

社員の声を参考にしつつ、現実的に100%達成できそうな目標・指標を設定することが、精度の高いKPIを設定するポイントです。

 

ぜひ、今回の記事を参考にチームにとって最適なKPIを設定してくださいね。

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