2021年1月7日公開
ブレインストーミングとは?ルールやメリット・デメリットについて徹底解説
自社の業績を改善するため、新規企画や改善案の提出を求められている管理職・マネージャーの方も多いと思います。
市場競争の中を生き残るため、新しい試みにチャレンジすることは大切だと頭で理解していても、実際に自分一人で新しいアイデアを出すのは簡単ではないですよね。
そこでおすすめするのが、複数人で考えを出し合うブレインストーミングです。ここでは以下の項目を中心に解説します。
・実際にどのような手順で実行すべきか
・併用して活用できるフレームワーク
ブレインストーミングを活用すれば、自分一人では思い浮かばなかったような新しい発見が見つかる可能性があります。一方でルールが守れていなかったりメンバーに偏りがある場合、期待していた効果を得にくいというデメリットもあるため、注意が必要です。
ブレインストーミングについて理解を深めるため、まずは意味や定義について確認してみましょう。
目次
ブレインストーミングとは
ブレインストーミングとは、グループで意見を出し合って新しいアイデアを創出する方法のこと。ディスカッションとの主な違いは、以下のとおりです。
ディスカッションは「お互いにぶつかり合って結論を出す」というもの。一方でブレインストーミングは「お互いに同じ方向に向かって話を進める」というイメージです。
「AとB、どちらを選択するべきか」を決めるのにディスカッションはおすすめです。
しかしながら「そもそも選ぶべき選択肢やアイデアがない」という状態なら、ブレインストーミングを活用してみてはいかがでしょうか。
ブレインストーミングのメリットおよびデメリットとは
ブレインストーミングを実行するメリット・デメリットは何なのか、さっそく表でまとめました。
各項目の具体的な内容については、以下で解説します。
ブレインストーミングのメリット
ブレインストーミングを活用すると、「メンバーやチーム全体が成長する」といった効果が期待できます。ブレインストーミングのメリットは下記の通りです。
具体的にどういうことなのか、さっそくチェックしてみましょう。
新しいアイデアや考え方の発見
ブレインストーミングを利用する一番のメリットは、新しいアイデアの発見です。
「既存の営業方法では売上が伸びないから、どのように今後営業をかけていくか、白紙の状態から検討する必要がある」
このような課題に直面したとき、ブレインストーミングを活用すれば活路を発見できるかもしれません。
「ディスカッションでも良いのでは?」と思う人もいるでしょう。しかし、ディスカッションの場で、意見を発表して否定された場合、メンバーが積極的に発言しなくなるリスクがあります。
後述しますが、ブレインストーミングは「アイデアへの批判はNG」です。
よってメンバーは自分の意見が否定されることはないため、安心して意見を発表できます。より良い意見を引き出すには、発言されるアイデアの数が重要になるもの。新しい考え方を発見して課題を克服していくには、ブレインストーミングがおすすめです。
個人・チームのレベルアップ
ブレインストーミングを実施することで、個人やチームのレベルアップが期待できます。レベルアップとはどういうことか、具体的に例を挙げると、以下のとおりです。
このように、個人の能力やチーム全体の生産性向上が期待できます。チームや部署の一体感を高めたいときや、部下の能力を高めたいときはブレインストーミングを実施してみてはいかがでしょうか。
ブレインストーミングのデメリット
ブレインストーミングを実施するにあたって、注意すべき点もあります。
一番注意すべきポイントは「メンバーの選出」です。具体的にどういうことなのか、どのようなデメリットが発生しがちなのか、以下で詳しく解説します。
立場の強い人に意見しにくい
メンバーの中に役職者や上司など立場の強い人がいる場合、役職が付いていないメンバーは意見の発表を遠慮してしまうリスクがあります。この問題を解決するには、以下の方法が挙げられます。
・様々な立場の人を、できるだけ平等にメンバーへ迎え入れる
・「発言への否定や批判はNG」のルールを徹底する
「そもそも立場の強い人をメンバーへ入れなければ良いのでは?」と思うかもしれません。
しかしブレインストーミングの目的は、より新しいアイデアや考え方を発見すること。メンバーが特定の属性に偏ってしまうと、発言や意見にも偏りが発生します。
そこで「信頼感のある役職者」をメンバーへ迎え入れることが重要です。人は不信感を感じる相手の前では積極的に発言しない傾向があるもの。そこで「この人となら正面から話し合える」という役職者をメンバーへ迎え入れることで、メンバーの多様性を確保しつつ、円滑に意見を出し合えるチームが誕生します。
参考元:HarvardBusinessReview『ブレーンストーミングの欠点を補うブレーンライティング』
会話好きの人が場を独占することがある
意見を集めるには、参加したメンバー全員が積極的に意見を述べる必要があります。ただし、メンバーの中には、会話が好きな人から寡黙な人までいるでしょう。そんなとき、進行役がうまく全員から意見を引き出すことが求められます。
ブレインストーミングは多くの人の意見を吸い上げて、新しいアイデアを発見する方法です。会話好きの人が場を独占したり、逆にほとんど発言しない人が発生しないよう注意しましょう。
ブレインストーミングの基本ルール・やり方・活用できるシーン
「ブレインストーミングをこれから定期的に実行しよう」と考えている方へ向けて、以下では具体的な実践手順や注意点についてご紹介します。
考えに行き詰った時や大きな悩みに当たった時にはきっと役に立つはずなので、ぜひこの機会に具体的な手順を確認しておきましょう。
ブレインストーミングの基本ルール
まずは、ブレインストーミングの基本ルールを4つご紹介します。それぞれ必ず守るべきルールなので、必ず確認しておきましょう。
相手を否定しない
ブレインストーミングにおいて、発言への批判は絶対NGです。
明らかにおかしい発言があると、つい反対意見を述べたくなる気持ちは分かります。しかしそこで一度踏みとどまり、「その意見も良いけれど、もっとこうしたほうが良いのでは?」と、相手を否定せず建設的な意見を述べるという姿勢が必要です。
結論を出さない
ブレインストーミング中は結論を出さず、終了後に別途結論を出す必要があります。
ブレインストーミングは意見をたくさん集めるのが目的であり、意見の中身の判断は別途行うべきです。ついつい流れで結論まで求めてしまいがちですが、それが当たり前になると、ブレインストーミング中でもアイデアの良し悪しを判断してしまいがちになります。
結論を出す場合は「ブレインストーミングは終了し、これから結論を出す」ことを明言しましょう。
質より量を重視する
アイデアの良し悪しを判断よりも量を出すよう意識しましょう。
「結論を出さない」にも通じますが、目的は「たくさん意見をあつめること」です。発言内容を吟味したり結論を出したりするのは、ブレインストーミング終了後で問題ありません。
アイデアを組み合わせる
意見を組み合わせて発展させると、より質の高いアイデアを発見しやすくなります。
せっかくメンバーを集めてブレインストーミングを行うのに、ただ意見を列挙するだけではもったいないもの。意見を選別するのはNGですが、ある意見と別の意見を組み合わせたり発展させたりすることは非常に望ましいです。
慣れないうちは、最初に意見を出し合い、ある程度意見が出そろったところでアイデアを結合する、というのを意識してみると良いでしょう。
ブレインストーミングをグループで行う方法
ブレインストーミングをグループで実行する場合の具体的な手順は、以下の通りです。
2. アイデアを出し合う
3. アイデアを発展・結合させる
4. アイデアを整理する
上述しましたが、ブレインストーミングでは「結論を出す」ことはしません。結論はブレインストーミングとは別に、ディスカッションを行って決める必要があります。
一人でブレインストーミングするなら
ブレインストーミングは自分一人でも実行可能です。メンバーを集めることができない時や緊急で企画案を提出しなければならない時は、一人ブレインストーミングを行ってみましょう。
一人ブレインストーミングに必要なのは、「アイデアを書き出す紙」です。基本的なルールや手順は複数人で行う時と変わりません。手軽に考えを深めることができるので、メンバーを集めることができない時におすすめの方法です。
ブレインストーミングを活用すべきシーンとは
ブレインストーミングを活用すべきタイミングは、以下のようなシーンが挙げられます。
・(間接部門)作業効率アップをして残業時間を削減するためどうするべきか、ゼロから見直していきたい
・(製造部門)製品の不良発生率を低下させたり、作業中の事故・ケガを無くすにはどうするべきか、意見を出し合って解決したい
この例のように、ブレインストーミングは「意見を出し合って問題を解決したい」というシーンで活用するのが効果的です。
ただし、ブレインストーミングはアイデアへの批判はNG。つい「そんな意見は現実的じゃない」と言いたくなる場面もありますが、意見をたくさん出してもらうためにも、アイデアへの批判は行わないようにしましょう。
まとめ
今回は下記のポイントを中心に、ブレインストーミングについて解説しました。
・アイデアへの批判は絶対NG
・結論を出すのではなく、アイデアを出して発展させることが目的
ブレインストーミングを行う時は、できるだけアイデアをたくさん出すことが大切。そのためにも、様々な部署・役職の人に参加してもらったり、アイデアへの批判禁止を徹底することが大切です。
部署や会社全体で何か新しいアイデアを出すことが求められている時は、ブレインストーミングを活用してみてはいかがでしょうか?