2021年5月25日公開
ブレインストーミングでアイディアを出したい!今すぐ活用できるおすすめツール8選
「ブレインストーミングを実行してみたけれど、思ったようにメンバーからの発言がない」
「ブレストを活用して意見を集めることは出来たが、うまく結論をまとめることができていない」
このような課題を抱えている担当者の方もいるかと思います。
ブレインストーミングを活用すると下記のような効果が期待できます。
・新しいアイデアを発見しやすい
・メンバー個人のスキルアップ
・チームの団結力アップ
しかしその一方で、「そもそもメンバーからの発言がない」「発言が多すぎて、上手くまとまらない」といった課題に直面することもあるでしょう。
そこで本記事では、ブレストでメンバーから発言を引き出したりまとめたりするツール(フレームワーク)を、8つご紹介します。「メンバーから発言をもっと引き出したい」「メンバーの発言内容を、よりスムーズにまとめたい」と考えているなら、ぜひご一読ください。
目次
ブレインストーミングとは?ツールを活用する必要がある?
ブレインストーミングとは、グループで意見を出し合って新しいアイデアを創出する方法のことです。ディスカッションとは異なり、「相手の発言への批判はNG」「アイデアを出し合うことが目的」といった狙いがあります。
ブレストの詳細や活用するメリット・デメリット、詳しいやり方について知りたい方は、『ブレインストーミングとは?ルールやメリット・デメリットについて徹底解説』ご一読ください。一方で、「ブレインストーミングを実践しているものの、思ったような効果が挙げられていない」と悩んでいる人もいるでしょう。
ブレスト実践時に直面する主な悩みを大別すると2つです。
・メンバーが全然発言しない
・発言が多すぎてまとめきらず、収拾がつかない
この2つの課題は、ツールを活用することで解決可能です。具体的にどういうことなのか、以下ではブレストでツールを活用する利点について解説します。
より多くのアイデアを引き出せる
ブレインストーミングでツールを活用すると、メンバーから発言を引き出しやすくなります。
例えばブレストを実践してみたものの、メンバーから積極的な発言がなく、場が静かで、ブレインストーミングがお通夜状態、なんてこともあるでしょう。
このような時にツールを活用すれば、メンバーから自然と発言を引き出しやすくなるでしょう。これによって「メンバーからの発言がない」という課題を解決できます。
メンバーからの発言がない事に悩んでいる人はもちろん、「特定の人ばかり発言しすぎる」「全然発言しない人がいる」と悩んでいる人にも、ツールの活用がおすすめです。
アイデアをまとめやすくなる
ブレインストーミングでツールを活用すると、出てきた発言をまとめやすくなります。
例えばブレストを実施してたくさんの意見を集めることは出来たものの、すべての発言内容をうまく整理できず、各人の意見を書き並べただけでまとまりがない、なんて経験をした人もいるかと思います。
発言内容をうまく整理しないと、ブレスト終了後に内容を振り返ったり、意見を組み合わせて良いアイデアを出したりするにが難しいでしょう。せっかく良い発言をたくさん引き出せたのですから、うまく内容をまとめて後の会議に活かしたいですよね。
ブレストツールなら、意見を効率的にまとめることができます。「発言内容を上手にまとめる方法について知りたい」と思っている方は、ぜひブレストでツールを活用してください。
ブレインストーミングにおすすめツール8選
ここでは、ブレインストーミングで利用できるおすすめツールを8つ紹介します。
8つの内5つは「メンバーから意見を引き出すツール」、残りの3つは「意見を効率的にまとめるツール」です。まずは「メンバーから意見を引き出すツール」についてご紹介します。
ブレインストーミングのアイデアを出すツール
ブレインストーミングの時に、メンバーから発言を引き出したいなら下記の5つがおすすめです。
・希望点列挙法
・欠点列挙法
・ブレインライティング
・シックス・ハット法
・ゴードン法
これらのツールを活用することでメンバーからの発言がなくて、ブレインストーミングがお通夜状態、といったケースを回避しやすくなります。せっかく業務時間の一部を利用してメンバーを集めるのですから、ブレストはより有意義な時間にしたいですよね。
「メンバーから発言をうまく引き出せずに困っている」という方は、ぜひチェックしてください。
1.希望点列挙法
希望点列挙法とは、ブレインストーミングのテーマに対して、「完璧な状態とは何か」「どのような状態になったら理想的なのか」を考えていくアプローチ方法です。
■希望点列挙法の実行手順
1.テーマを設定する
2.希望点を挙げる
3.「希望点を実現するにはどうすれば良いのか」を考える
ブレストのテーマに対して「理想的な状態とは何か」を考えて、それを実現するためには何をすれば良いのか考えます。
希望点列挙法をブレストで活用すると、下記のような効果が期待できます。
・課題を解決するための、大胆な発想をしやすい
・現時点での「常識」「当たり前」にとらわれにくい
その結果、メンバーから意見を引き出しやすくなります。とはいえ、希望点や理想の状態ばかりにフォーカスするのは、どこか偏った印象がありますよね。そこで希望点列挙法を活用する時は、次に紹介する「欠点列挙法」もあわせて実行することをおすすめします。
2.欠点列挙法
欠点列挙法とは、ブレインストーミングのテーマに対して、「何が不満なのか」「どのような欠点があるのか」を考えていくアプローチ方法です。
■欠点列挙法の実行手順
1.テーマを設定する
2.欠点を挙げる
3.欠点をどうすれば改善できるのか考える
ブレストのテーマに対して「何が不満や欠点となっているのか」を考えて、それを解消するためには何をすれば良いのか考えます。
欠点列挙法をブレストで活用することで、下記のような効果が期待できます。
・どのような欠点や不満があるのか明確になる
・希望点列挙法と組み合わせることで、現実的な課題解決策が出てきやすい
また不満や欠点は自然と目につきやすいものなので、テーマが身近なものになるほど意見が出てきやすい、というメリットもあります。希望点列挙法と欠点列挙法を組み合わせることで、より良い課題解決のアイデアを生み出しやすくなります。
一方で「特定の人ばかり発言する」「あまり意見を言わない人がいる」など、発言者が偏りがちな現状に不安を抱えている方もいるでしょう。そのような場合は、次にご紹介する「ブレインライティング」の活用がおすすめです。
3.ブレインライティング
ブレインライティングは、発言するのが苦手な人がいる時や、目上の人がいて発言しにくい時におすすめのツールです。
■ブレインライティングの実行手順
1.テーマを決める
2.各自に1枚のシートを配る
3.シートの一番上の列に、意見を3つ、5分以内に記入する
4.左の人に自分のシートを渡し、右の人からシートを受け取る
5.シートの2番目以降の列に、アイデアを3つ、5分以内に記入する
6.(3)(4)(5)を繰り返す。一周したら終了
目上の人が同席していたり、積極的に発言するのが苦手だったりする人がいると、積極的な発言が少なくなったりするもの。しかしブレインライティングの手順を活用することで下記のようなメリットがあります。
・だれの発言内容か分かりにくい
・紙に意見を記入するので、意見を出しやすい
・メンバー全員から平等に意見を引き出せる
ただしブレインライティングを活用すると、アイデアが多くなりすぎてしまい、まとめるのに苦労するします。そこで、ブレインライティングで出た意見をまとめるには、下記の方法を実践してみましょう。
■ブレインライティングでアイデアをまとめる方法
1.アイデアを記入したシートを各自持つ
2.良いと思うアイデアを1つマークする
3.左の人に自分のシートを渡し、右の人からシートを受け取る
4.(2)と同様、良いと思うアイデアを1つマークする
5.(3)(4)を繰り返す。一周したら終了。
6.マークの付いたアイデアをシートから切り離す
7.似たアイデアをグループごとにまとめる
8.各グループの中からベストのアイデアを抽出する
9.多くのアイデアの中からより良いものが、数個残る
ブレインライティングをうまく活用すれば、メンバー全員から発言を引き出し、より効率的に良いアイデアを抽出しやすくなります。
4.シックス・ハット法
シックス・ハット法は、あえて思考に制限をかけてアイデアを出す方法です。6色の帽子を被って(実際には必ずしも被る必要はありませんが…)、それぞれの観点から意見を出し合うことから「シックス・ハット(6つの帽子)法」と呼ばれています。
白・赤・黒・黄・緑・青の6色の帽子を用意し、メンバー全員が同じ色の帽子を被ります。帽子の色ごとに役割が決められているため、意見を考え安いのがメリット。「自由に発言しろと言われても、どのようなアイデアを言えばよいのか分からない」とブレインストーミングが停滞している時におすすめのツールです。
■シックス・ハット法の実行手順
1.テーマを決める
2.特定の色の帽子をかぶる
3.色ごとの役割に応じたアイデアを出す
色の順番が決められているわけではありませんが、一般的に「白⇒赤⇒黄⇒黒⇒緑⇒青」の手順でシックス・ハット法を活用することが多いです。
■各色の役割
1.白色(情報)の帽子:事実に基づいた情報を出し合う
2.赤色(感情)の帽子:本能や主観で意見を出し合う
3.黄色(楽観)の帽子:プラス思考で意見を出し合う
4.黒色(悲観)の帽子:マイナス思考で意見を出し合う
5.緑色(創造)の帽子:自由に意見を出し合う
6.青色(管理)の帽子:議論がうまく進んでいないと感じた時、または議論の最終段階で話をいったん整理する
「いつもと同じメンバーしか集まらず、発言の傾向に偏りが感じられる」「出てくるアイデアが偏っているように感じる」と悩んでいる方は、シックス・ハット法を活用して様々な角度からアイデアを出してみてはいかがでしょうか。
一方で、「もっと自由で独創的なアイデアを出してほしい」という時は、次に紹介する「ゴードン法」の活用がおすすめです。
5.ゴードン法
ゴードン法は、本来の課題を抽象化したテーマにしてブレストする方法です。例えば「新規事業の立案」が本来のテーマであれば、抽象化したテーマには「日常生活で困っていること」「仕事をするときに不便に感じていること」などが挙げられます。
■ゴードン法の実行手順
1.本当のテーマと抽象化したテーマを決める
2.メンバーに抽象化したテーマのみ教えてブレストを行う
3.(2)で出たアイデアをもとに、本当のテーマで再度ブレストを行う
最初に抽象的なテーマでブレストを行うことで、本質的な解決策や独創的なアイデアを引き出しやすくなる、といったメリットがあります。「より柔軟なアイデアが欲しい」と考えている方は、ゴードン法を活用したブレストがおすすめです。
ここまでは、ブレインストーミングにおいて「アイデアを引き出すツール」について、5つご紹介しました。次の見出しでは、出てきたアイデアをまとめるツールを3つ紹介します。「ブレストで出たアイデアをまとめるのが苦手」という方は、ぜひご一読ください。
ブレインストーミングのアイデアをまとめるツール
ブレインストーミングで出たアイデアをまとめるには際には、下記の3つがおすすめです。
・KJ法
・マインドマップ
・セブンクロス法
それぞれどのようなツールか、詳しくご紹介します。
6.KJ法
KJ法は、ブレストから得たアイデアをまとめたりアイデア同士の関係性を図解したりできるツールです。
■KJ法の実行手順
1.ブレストで得た各アイデアを、それぞれカードに記入する
2.カード(アイデア)をグループごとにまとめる
3.矢印や記号を活用して、関係性を図解する
4.図解をもとに文章化する
ブレインストーミングで出たアイデアをそれぞれ紙のカードに記載してグループ化、図解することで、視覚的にアイデアをまとめることができます。
7.マインドマップ
ホワイトボードなどを活用して、出てきたアイデアを分かりやすくまとめるなら「マインドマップ」がおすすめです。
■マインドマップの実行手順
1.ホワイトボードを用意する
2.中心にブレストのテーマを記載する
3.でてきたアイデアを関連付けて記載する
マインドマップを活用することで視覚的に分かりやすく、全員のアイデアを、全体との牽連性を確かめながらまとめることができます。
8.セブンクロス法
セブンクロス法は、ブレストで出たアイデアの優先順位をつけるときに役立つツールです。
7×7のマスを描いた表を用意し、横軸に問題点、縦軸にアイデアを記入します。このとき、優先順位の高い課題は左側へ、優先順位の高いアイデアは上の方に記載します。
■セブンクロス法の実行手順
1.7×7のマスがある表を用意する
2.優先順位の高い課題から、左から順に記載する
3.ブレストで得たアイデアを、優先順位の高いものから順に上から記載する
4.アイデアをもとに、課題の解決に繋がる具体的な方法を考える
セブンクロス法を活用することで、それぞれの課題点に対して優先して対策すべき内容を洗い出しやすくなります。
まとめ
今回は下記のポイントを中心に、ブレインストーミングにおすすめのツールについて解説しました。
・ブレインストーミングの概要と活用するメリット
・アイデア出しにおすすめの5ツール
・アイデアをまとめるのにおすすめの3ツール
ブレストはアイデアを出すのに有効な手段ですが、メンバーによっては全然発言しなかったり、役職者が同席しておりアイデアを言いにくかったりするもの。また多くアイデアが出た場合は、まとめるのにも一苦労です。
そこで本記事でお伝えしたツールを活用すれば、ブレストで多くのアイデアを引き出しつつ、効率的に意見をまとめることができます。
「ブレストが最近うまくいかない」「メンバーから意見を引き出したり、意見をまとめたりするのに手間取っている」と悩んでいる方は、ぜひブレストのツールを活用してみましょう。