2024年6月21日公開

人材不足解消の切り札!アルムナイネットワークとアルムナイ採用制度

近年の労働市場において、多くの企業は人材不足という大きな課題に直面しています。このような状況下で、アルムナイネットワークとアルムナイ採用制度が注目されています。企業はこれらの戦略を活用することにより、過去に離職したものの価値あるスキルと経験を持つ元従業員を、再び組織に取り込むことが可能です。

 

この記事では、アルムナイネットワークとアルムナイ採用制度の基本やメリット・デメリット、運用におけるポイントについて解説します。

 

アルムナイネットワークとは?

アルムナイ(Alumni)という言葉は、ラテン語の「alumnus」に由来し、元々は「育てられた子」や「卒業生」を意味します。このような意味から派生し、人事領域では離職者、OB・OGを指す言葉として使われています。

 

アルムナイネットワークは、定年退職者以外の退職者やOB・OGなど、その企業の元従業員で形成されるコミュニティを指します。また一度自社を離職した人材を再び採用することをアルムナイ採用、もしくは企業によっては「再雇用制度」「カムバック制度」「出戻り自由制度」などと呼んでいます。

 

終身雇用が当たり前の時代においては、退職した社員は「裏切り者」だと考える風潮がありました。しかしながら、労働人口が減少し、雇用の流動性が高まる昨今では、退職した社員は裏切り者ではなく社外資産と考える企業が増えています。

 

アルムナイネットワークのメリットとデメリット

アルムナイネットワークを構築するメリット・デメリットについて解説します。

 

アルムナイネットワークのメリット

メリットは下記の3つです。

 

即戦力の確保

元従業員は、かつて自社で働いていた経験があり、企業文化や業務プロセスに既に精通しています。退職後に再度採用することで、新規採用の人材と比べると、迅速に業務に貢献できる即戦力として活躍が期待できます。

 

教育コストの削減

元従業員は、企業文化や業務プロセスを既に把握しています。そのため新規採用に比べると、トレーニングにまつわるコストや時間を削減できるメリットがあります。これにより、企業は効率的に人材を活用し、教育予算を他の重要な領域に配分できるでしょう。

 

企業イメージの向上

アルムナイネットワークを通じて、元従業員とのポジティブな関係を維持することは、企業の外部イメージに大きく貢献します。元従業員が自社に関して肯定的な意見を外部に発信することは、企業のブランド価値を高め、良い雇用主としての評判を築くのに役立つでしょう。また、社会的責任を果たしているという印象を与え、潜在的なクライアントや顧客に対しても、ポジティブな影響を及ぼす可能性があります。

 

アルムナイネットワークのデメリット

デメリットは下記の3つです。

 

既存社員との調整が必要

元従業員を組織に再び統合する際、既存の従業員との間で調整が必要になる場合があります。既存のチームメンバーと元従業員との間で、業務や役割に関する期待値を明確にする必要があります。人間関係のトラブルを避けるためにも、双方がスムーズにコミュニケーションを取れる環境を整える必要があるでしょう。

 

スキルの不一致

元従業員が組織を離れている間に業界や技術が進化している場合、元従業員のスキルセットが現在の業務要件と一致しない恐れがあります。これにより、再雇用された元従業員に対して追加のトレーニングが必要となり、即戦力としての利点が減少するケースがあります。

 

管理コストが発生する

アルムナイネットワークの構築と維持には、専用の管理システムやプロセスを設ける必要があります。既存のシステムを活用できない場合は、新規にシステムを構築する必要があります。また、関係維持のために、定期的にイベントなどを開催する必要も生じるでしょう。元従業員との関係を維持するためには、時間と資金の継続的な投資が欠かせません。

 

アルムナイネットワークの構築方法

ここでは、人事担当者がアルムナイネットワークを構築し、運営する方法について解説します。

 

アルムナイネットワークの構築

アルムナイネットワークの成功には、戦略的な計画が欠かせません。まずは目的と目標を明確に定義し、どのように元従業員との関係を築き、維持し、価値を提供するかを検討しましょう。この際、ターゲットとなる元従業員のセグメントや関与を促すためのメリット、そして期待される成果を明確にしてください。


計画が定まったら、実際にネットワークを構築するためのステップを実行します。具体的にはアルムナイデータベースの作成、適切なコミュニケーションツールの選定、初期のエンゲージメント活動の企画などです。

 

定期的にコミュニケーションをとる

アルムナイネットワークは、構築してそれで終わりではありません。元従業員と定期的にコミュニケーションを取ることが重要です。具体的にはメール、ソーシャルメディア、専用のオンラインプラットフォームなど、複数のチャネルを活用して、定期的にコミュニケーションを取るようにしましょう。また、元従業員と既存の従業員が直接交流できるような、イベントや勉強会を開催するのもおすすめです。

 

アルムナイネットワークから採用につなげる5つのポイント

ここでは、アルムナイネットワークから採用につなげるポイントについて解説します。

 

アルムナイに特化した採用戦略の策定

アルムナイネットワークから採用につなげるために、元従業員をターゲットにした採用プランを立てます。元従業員が持つ独自のニーズや期待に対応した採用プロセスを設計し、アルムナイが再び組織の一員として戻ってくることに魅力を感じるような環境を作り出します。正規採用だけに拘らず、非正規採用や業務委託も視野に入れるといいでしょう。

 

直接的なコミュニケーションの促進

元従業員に対して個別にアプローチし、オープンポジションやキャリア機会について直接情報を提供します。個々の元従業員のキャリア目標や興味に合わせた情報を共有することで、元従業員の関心を高め、再入社への興味を喚起します。

 

アルムナイの経験とスキルを活かしたポジションの提供

元従業員が以前持っていたスキルや経験を生かせるポジションを提供することが、元従業員を惹きつける鍵です。また、元従業員が新たに獲得したスキルや経験も評価し、組織内での新しいキャリアパスを提示するといいでしょう。

 

成功事例の共有とネットワーク活用

元従業員の中には、再入社に対して不安を抱く人もいるでしょう。そのため元従業員が再入社した成功事例を共有し、現在の従業員や他の元従業員とのコミュニケーションの機会を提供しましょう。これにより、組織に戻ることのメリットと可能性を、元従業員が具体的に感じ取ることができます。

 

アルムナイネットワークからの採用を成功に導くために注意すべき3つのこと

アルムナイネットワークからの採用を成功に導くためには、既存社員との調整が欠かせません。ここでは具体的な方法について解説します。

 

既存社員との調整

元従業員をチームに再統合する際には、既存のチームメンバーとの間でオープンなコミュニケーションを確立し、期待値や懸念事項を共有します。また、元従業員がチームに与える影響を理解し、受け入れる準備をしましょう。

 

相互理解の促進

ワークショップやチームビルディングの活動を通じて、元従業員と既存社員間の相互理解と信頼を構築します。これは、チーム全体の協力関係の強化や、組織全体のパフォーマンス向上につながります。

 

既存社員のケア

既存社員の中には、元従業員を受け入れることに対してストレスを感じる人もいるでしょう。そのため人事担当者は、元従業員を受け入れる理由を理解してもらう機会を設けるなど、双方がストレスを感じることがないように、環境を整えましょう。

 

まとめ

アルムナイネットワークとアルムナイ採用制度は、人材不足という課題に対処するための革新的なアプローチです。即戦力の確保や教育コストの削減、企業イメージの向上など、多くのメリットを享受できます。もし人材不足に悩まされているのであれば、アルムナイネットワークを構築するところから始めてみませんか?

 

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