2025年1月15日公開

【ユーザーボイス】性格分析で学生の未来を切り拓く 株式会社V3中川さん中川コーイチ氏

就職活動において、自己分析は避けて通れない重要なステップです。しかし「自分のことがよく分からない」「自己PRが上手く書けない」と悩む学生は多くいます。

 

そのような中、人材業界で30年以上の豊富な経験を持つキャリアアドバイザーの株式会社V3代表取締役 中川コーイチ氏は、クラウドHRMシステムTOiTOiを活用した独自の就活支援で、多くの学生の可能性を引き出しています。中川氏独自の就活支援では、単なる内定獲得にとどまらず、社会で活躍できる人材の育成まで見据えているそうです。そこで今回、性格分析を通じて、学生たちの人生をどのように支援しているのか、その取り組みに迫りました。

 

基本情報

会社名:株式会社V3

業種・業態:コンサル業・士業

公式サイトURL:https://v-3.biz/

キャリア支援の現場で生きるTOiTOiの性格分析

 はやみ| TOiTOi※を使い始めてから、どのくらいの期間が経ちましたか?

 

※TOiTOi

TOiTOiは株式会社ロジック・ブレインが開発提供しているクラウドHRMシステムです。社員の個性をAIで分析して行動傾向を把握し、それぞれの特性に合わせて最適なマネジメントを支援します。

中川 氏| 約3年ほどです。

 

 はやみ|長く活用していただいているんですね。中川さんのお仕事について教えていただけますか?

 

中川 氏|大学卒業後、20年ほど人材ビジネス・就職サイトの会社で営業の仕事に従事した後、そこで得た知識や経験をベースに2011年に独立して、就活中の学生にアドバイスする仕事をしています。

 

 はやみ|具体的にはどのような仕事ですか?

 

中川 氏|大学のキャリアセンターから依頼を受けて、大阪産業大学、摂南大学、阪南大学、神戸市外大などの関西の大学を中心に就活講座の講師として教壇に立っています。

 

 はやみ|  就活の面から様々な大学の学生さんをサポートされているんですね。TOiTOiを活用いただいていると伺いましたが、どのような機能を取り入れられていますか?

 

中川 氏|主にビッグファイブ分析※ですね。

 

※ビッグファイブ分析

ビッグファイブ分析は、1980年代に心理学者のルイス・ゴールドバーグ氏が提唱した性格分析理論です。誠実特性、調和特性、開放特性、外向特性、情緒特性の5因子の高低差によって性格を分析します。それゆえ5つの因子の高低差を見ることで、対象者の性格や特性を知ることができます。TOiTOiではビッグファイブ分析を取り入れているため、従業員の分析結果を一元管理することが可能です。

 はやみ|ビッグファイブ分析を活用してどのような授業を展開されているんですか?

 

中川 氏|例えば、スポットで行う就活講座では、ビッグファイブ分析の結果を元に、自己PRの文章を作ってもらうようにしています。

 

他にも、半年間に及ぶ授業は15回あるので、初回の授業で、ビッグファイブ分析を実施し、その結果を元に、5つの因子※のうち、どの因子を伸ばしたいか、もしくはどの因子を下げたいかなど1人ひとりに考えてもらい、生徒本人が自主的に気づくように促しています。

 

 

その上で、どのように変化させたいかということを考えてもらいます。そして、私の方からどのように半年間を過ごせば変化するかアドバイスをさせていただいてます。

 

 はやみ|具体的にどのようなアドバイスをされているんですか?

 

中川 氏|外向特性を高めたい学生に対しては、積極的に挨拶をするようにとアドバイスをし実行してもらうと外向特性が上がりました。

 

 はやみ|そうなんですね。日々の行動習慣で、性格は変化するんですね。

 

中川 氏|うです。15回目の授業の14回目で、もう一度ビッグファイブ分析を実施してもらうことで、半年間で性格が変化したことを学生自身に確認してもらっています。

 

 はやみ| 面白いですね。

 

性格分析が引き出す「隠れた可能性」

 はやみ|2024年のLOGIC BRAIN AWARD※でも、TOiTOiを活用した学生への就活支援についてお話いただきましたが、改めて、どのように活用しているか教えてください。

 

※LOGIC BRAIN AWARDとは

LOGIC BRAIN AWARDは、株式会社ロジック・ブレインが主催し、2019年から毎年開催されているイベントで、2023年10月28日に大阪市で第5回が開催されました。このイベントは、ロジック・ブレインのクラウドHRMシステム「TOiTOi」やクラウドCRMシステム「TENPiN」を導入している企業の中で、優れた活用事例を発表する場として位置づけられています。2023年度のテーマは「未来への勝利の鍵:変化するテクノロジーの力」です。

プレゼンターの方々には「パーソナル分析」を通じた人材や営業課題の解決方法について発表していただきました。イベントは、既存および導入検討中の企業様に再現性のある活用アイデアやヒントを提供する目的で開催されており、グランプリなどの各賞が選出されました。

中川氏が登壇したロジック・ブレインアワードの様子はこちら

 

中川 氏|先ほどお話しした通り、授業でも活用していますが、それ以外にも大学からの個別の依頼で、TOiTOiを活用しています。

 

 はやみ|具体的にはどのような依頼を受けているんですか?

 

中川 氏|卒業間際の4年生でまだ就職が決まっていない学生の個別支援です。この個別支援の際にも、ビッグファイブ分析は力を発揮してくれています。

 

 はやみ| そうなんですね。

 

中川 氏|最近の例でいうと、行動的でなく、ゲームばかりしていて友達も少ないという学生さんの支援を担当しました。その学生さんは就職活動で自信を失ってしまい、前に進めない状態が続いていました。

 

通常のキャリアカウンセリングでは、過去の経験をベースに強みや長所を引き出していくことが多いのですが、その学生さんは人生経験が乏しく、引き出しにくい状態でした。

 

 はやみ|この学生さんだけでなく、コロナ禍に学生生活を送った学生さんは、就活でアピールするために学生時代の経験が制限されているので苦労している方も多そうですね。ちなみに、どのようにして話を引き出したのですか?

 

中川 氏|ビッグファイブ分析結果からです。分析結果をもとに「こういう特徴があるのでは?」と予測しました。その学生の場合「調和特性が高い」という結果が出ていました。そこで「もしかして人と助け合うのが好きだったりしますか?」と聞いてみたところ「意外とそういうところはある」と話してくれました。そこからさらに話を深掘りすると、研究室で誰よりも早く来て準備をしていたり、困っている人を手伝っていたエピソードが出てきました。

 

 はやみ|なるほど!分析結果があれば、より強みが見つかりやすそうですね。

 

中川 氏|その通りです。TOiTOiを活用すると学生の強みを見つけやすくなるんです。その学生は、私との会話の中で発見した強みを自己PRに活かし、最終的に内定につなげることができました。

 

 はやみ|すごいですね。性格分析をきっかけに、学生さんの隠れた強みを引き出していらっしゃるんですね。

 

中川 氏|そうですね。個別面談では、TOiTOiを活用することで、ポイントを絞ったアプローチが可能になるため、効果的な支援ができていると思います。

 

チームワークを改善するTOiTOiの活用方法とは

 はやみ| 他の活用方法もありますか?

 

中川 氏|学生同士のコミュニケーションやチームワークの改善にもTOiTOiを活用しています。

 

例えば、大学のサークルや学生のプロジェクトチームなどで「チームの人間関係が上手くいっていない」という話を聞くことがあります。

 

このような時には、チーム全員にTOiTOiの性格分析を受けてもらい、組織分析※の結果から「リーダーを変えた方がいいのでは」と提案したりすることもあります。このように、組織やチームの課題を解決するツールとしても活用しています。

 

※組織分析

TOiTOiの組織分析を活用することで、組織稼働率を調べることが可能です。組織稼働率とは、組織やチームが特性の期間内でどれだけ効率的に動作しているかを示す指標です。組織稼働率が高いチームほど効率的な運営や生産プロセスの最適化ができていると推測できるため、組織の成果を最大化することにつながる場合があります。また、リーダーを中心にして、円の外側にいる人ほど、親密にコミュニケーションをとった方がいい人として表示されます。

 

 はやみ|TOiTOiはチーム運営にも活用できるんですね。中川さんは、主に学生に向けてTOiTOiを活用する中で、TOiTOiの強みはなんだと思いますか?

 

中川 氏|自分の性格について、感覚ではなく、データとして変化が「見える化」されるところです。学生も自分の性格の変化をデータでみることで、半年間の自分の変化を実感でき、それによりモチベーションアップにもつながっています。

 

また、就活だけでなく「自分を知る」ということが、結果として自己肯定感にもつながっていると感じます。

 

 はやみ|「自分を知る」という点で、学生さんにはどのようなメリットがあるとお考えですか?

 

中川 氏|会社選びにはいろいろなアプローチがあると思いますが、学生たちからよく聞くのが「やりたい仕事がない」という悩みなんです。

 

僕自身も学生の頃は「やりたい仕事」がありませんでした。だからこそ、学生たちには「やりたい仕事がないなら、できることを探せばいい」と伝えています。

 

例えば、得意なことや、人並みにできることでも十分です。「初対面の人と話してもあまり緊張しない」とか「長時間パソコンの前に座っていても苦にならない」とか、そんな小さなことでいいんです。

 

その「できること」にフォーカスして、それを活かせる仕事を見つける方が現実的です。やりたいことだけに固執しても、それができなければ意味がないですからね。

 

この時に、性格分析は、その「できること」を見つける手助けになると思います。

 

 はやみ| 「できること」に目を向ける重要性を、学生さんに伝えるためのツールとしてTOiTOiを活用されているんですね。学生さんたちはそのアプローチをどのように受け止めていますか?

 

中川 氏|多くの学生が「自分のことを知るのは初めてだ」と言ってくれます。TOiTOiを活用して、自分の強みや特性を客観的に理解できると、それをどう活かすか考えるきっかけになります。さらに、それを自己PRや就職活動に活かせるとなれば、学生にとって非常に価値のある体験になります。

 

また、就職活動の場面だけでなく、日常生活でも「こういう部分をもう少し改善したい」といった気づきが得られるので、自己成長にもつながっています。

 

企業にも広がる性格分析の可能性

 はやみ|学生を採用する企業側の視点で、TOiTOiを活用する可能性についてはどのように思われていますか?例えば、採用活動に役立つと思われますか?

 

中川 氏|もちろんです。採用活動の際に、事前にTOiTOiで既存社員の性格傾向を分析してチームのバランスを把握することで、「どのような特性の人が必要か」を明確にできます。

 

そして、それに合う人材を採用することで、チームワークの向上や業績の改善にもつながると考えています。

 

このように、TOiTOiを採用基準を決めるためのツールとして使うことで、一人ひとりの個性を見極めた採用を進めることができれば、より良いマッチングが実現すると思います。

 

 はやみ|個性を見極めた採用により、早期離職を防ぐことに繋がりそうですね。他にも採用の場面でどのようにTOiTOiを活用できると思われますか?

 

中川 氏|面接の場面でも活用できると思います。

 

 はやみ| 具体的には?

 

中川 氏|面接の場面では、第一印象に引っ張られて、バイアスがかかってしまいがちです。そのバイアスの影響を受けずに自社に必要な人材かどうかを客観的に見極めるのにTOiTOiが力を発揮してくれると思います。

 

 はやみ| たしかに、そうかもしれませんね。

 

中川 氏|TOiTOiで事前に応募者の性格を分析することで、一回の面接では見抜くのが難しいその人が持ってる持ち味を知ることできます。それによりイメージ先行の採用ではなく、本当に必要な人材を採用することにつながると考えます。

 

 はやみ|なるほど。TOiTOiは採用面接の場面でも力を発揮できそうですね。

 

誰でも、性格分析で人生が変わる

 はやみ|長年、性格分析を活用した、就活支援をする中で大切にしていることはありますか?

 

中川 氏|今の時代、若い人が少ないから、内定を取ることはとても簡単なんですよ。だからこそ私は、就活支援をする中で、内定を取ることだけを目的にしているわけではありません。内定をとることは通過点にしかすぎないからこそ、私の就活支援では、社会で活躍することを目的としています。そのため、学生たちにも、「内定なんか誰でも取れる。ただ、社会で活躍することを考えて就活しようよ」と伝えています。

 

 はやみ|そうなんですね。中川さんは、これまでの就活支援の中で、多くの人が性格分析を活用することをサポートされてきたと思うのです。最後に、性格分析を生かしきれていない方や、どうやって生かしたらいいのか分からないという方に向けて、何かアドバイスはありますか?

 

中川 氏|TOiTOiのビッグファイブ分析以外にも世の中には多くの性格分析があります。どの性格分析であっても、それをすること自体は素晴らしいことだと思います。

 

けれど多くの場合、分析結果が「当たってる」「当たってない」で終わってしまうケースが多く、それはとてももったいないことだと思います。本当に重要なのは、その分析結果を元に「自分の強みの根源はどこから来ているのか」を考えることです。

 

 はやみ|強みの根源とはなんですか?

 

中川 氏|強みの根源というのは、生まれ持ったものプラス、育ってきた環境にあります。それを考えることが、本来の自己分析だと思うんですよ。例えば、「この強みはどんな経験から培われたのか」「どういう環境で身についたのか」を掘り下げると、非常に深みのある自己PRが作れるんです。それが「自分にしか書けない自己PR」になります。

 

 はやみ|なるほど。「自分にしか書けない自己PR」が手に入れることができたら、就職活動をする時に役に立つだけでなく、自己肯定感や自信につながりそうですね。

 

中川 氏|そうですね。「自分にしか書けない自己PR」を書く過程で、自分の価値観を知ることにつながるため、自分のキャリアを築いていく指針にもなっていくと思います。

 

 はやみ|性格分析は自分のキャリアを築くのにとても力になってくれそうですね。本日もありがとうございました。

 

まとめ

 はやみ|性格分析は、自己理解のための入り口に過ぎません。しかし、その結果を深く掘り下げることで、自分だけの強みとその根源を発見できそうですね。

 

個人の強みを数値化して可視化し、具体的な行動改善につなげられるTOiTOiは、採用活動や人材育成の現場に新たな価値を提供します。

 

引用元:TOiTOi公式サイト

 

株式会社ロジック・ブレインのクラウドHRMシステムTOiTOiなら、社員の個性をAIで分析して行動傾向を把握し、それぞれの特性に合わせて最適なマネジメントを支援します。

 

例えば、コンピテンシー機能を活用すれば、ハイパフォーマーと比較分析し、対象者の良い点、改善点を数値化でき、具体的な指導が可能です。また、ビッグファイブ診断の結果や1on1の記録なども一元管理できます。それにより、人的資本経営への最初の一歩をサポートします。

 

また、TOiTOiを導入しただけで終わらないようにするために、専門知識を有したコンサルタントによるサポートも提供しています。詳しくは、TOiTOi公式サイトよりお問い合わせください。

 

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