
2025年6月17日公開
【ユーザボイス】TOiTOiで経営者と同じベクトルを持つ幹部を育てる!心理的安全性を組織のDNAへ組み込む組織改革とは 株式会社エム・アイ・ディジャパン
株式会社エム・アイ・ディジャパンは、アミューズメント、飲食、介護など多岐にわたる事業を展開し、305名の従業員を抱える企業です。同社は、従業員のモチベーション低下や人事評価と異動のミスマッチ、感染症による業績悪化など、複数の課題に直面していました。これらの課題を解決するため、クラウドHRMシステムTOiTOiを導入し、心理的安全性を高める組織改革に取り組みました。
今回は、これらの取り組みにより、離職率の低下や売上の増加、組織トラブルの減少といった成果を得て、心理的安全性を組織文化として定着させることができました。その成功事例について、株式会社エム・アイ・ディジャパンフロアーマネージャー 小薗征貴氏にお話を伺いました。
基本情報
法人名:株式会社エム・アイ・ディジャパン
本社所在地:新潟県上越市
業種・業態:アミューズメント・飲食・介護など
従業員数:305名
目次
評価と人事がチグハグでモチベーションが生まれにくい組織風土に
はやみ| 会社の概要と、小薗さんのポジションについて教えていただけますか?
小薗 氏| 株式会社エム・アイ・ディジャパンではアミューズメント、飲食、介護を中心に7業体、20拠点、305名で店舗運営を手掛けています。私は組織図でいうと下層に位置しており、経営者でも店舗責任者でもない立場です。
はやみ| TOiTOi※を使い始めてから、どのくらいの期間が経ちましたか?
※TOiTOi
TOiTOiは株式会社ロジック・ブレインが開発提供しているクラウドHRMシステムです。社員の個性をAIで分析して行動傾向を把握し、それぞれの特性に合わせて最適なマネジメントを支援します。
小薗 氏| 2022年から導入しているため約3年ほどです。
はやみ|導入時の課題について教えてください。
小薗 氏|TOiTOiを導入する前は、大きく3つの課題がありました。まず1つ目は「社内評価と人事異動のギャップ」です。現場で高く評価されているメンバーが、必ずしも期待通りに異動や昇進ができず、結果として組織全体の士気が下がってしまう課題がありました。 2つ目は「内発的動機付けの不十分さ」です。スタッフが仕事に対する目的意識や、自身の成長を実感できるような仕組みが足りていませんでした。 そして3つ目が「感染症による店舗ビジネスの低迷」です。コロナの影響で弊社も売上が減少し、それに伴い組織全体のモチベーションも低下していました。
はやみ| 評価のミスマッチ、目的意識の欠如、そして外部環境によるモチベーション低下…まさに三重苦とも言える、業界に関わらずどの企業でも直面しうる課題ですね。
小薗 氏| そうなんです。これらの課題が複合的に絡み合い、組織として停滞感があったのは否めません。現場責任者として多くの従業員と関わる中で、従業員が抱える個人的な問題が仕事に影響を及ぼすケースもあり、個々の状況に応じたサポートの必要性が高まっているなと肌で感じていました。
「心理的安全性」を核に!TOiTOiで目指した組織文化の変革
はやみ|これら3つの課題に対して、どのようにTOiTOiを活用されたのですか?
小薗 氏|心理的安全性を高める環境をつくることを最優先に考えました。そこでまず「離職リスクの早期発見と対策」そして「コミュニケーションが活性化する企業文化の構築」を目指しました。 心理的安全性が担保されれば、スタッフは本音を話しやすくなり、潜在的な問題や離職の兆候を早期にキャッチできます。さらに活発な意見交換は、新たなアイデアや改善を生み出す源泉となります。
はやみ| なるほど。その目的達成のために、TOiTOiを活用して、どのような施策を実践されたのでしょうか?
小薗 氏| 主に3つの施策を実践しました。1つ目は「1on1ミーティングの実施」です。月1回、短時間でも良いので、上司と部下が1対1で向き合い、深い信頼関係を築くことを目指しました。
はやみ|定期的な1on1ミーティングですね。他にはどのようなことをされましたか?
小薗 氏|2つ目は「オープンなコミュニケーションの促進」です。役職や立場に関係なく、誰もが自由に意見を表現できる場を提供することを意識しました。そして3つ目が「失敗を学びに変える文化の醸成」です。ミスを単に批判するのではなく、そこから何を学び、次にどう活かすか、という成長を促す視点を大切にしました。
はやみ|1on1ミーティング、オープンなコミュニケーション、失敗から学ぶ文化…これらは心理的安全性を高める上で非常に重要な要素ですね。ちなみに、小薗さんご自身は経営層や店舗責任者ではないとのことですが、マネージャーという立場でこれらの施策を推進されたんですよね。
小薗 氏|はい。組織のトップだけでなく、私のような中間管理職、現場に近い人間が主体となって運用できる点がTOiTOiを活用する利点だと感じています。そして心理的安全性が本当に担保される職場を作るには、現場からのボトムアップも不可欠だと実感しています。
1on1ミーティングを形骸化させない!効果を最大化するための3つの工夫
はやみ|小薗さんが所属している店舗では、年間で何回くらい1on1ミーティングを実施されたのですか?
小薗 氏|私が所属している新潟県長岡店(17人組織)では、2年間、部下8人に対して約200回の1on1ミーティングを実施しました。
はやみ|すごい回数ですね!ちなみに1on1ミーティングをスタートしても、普段の業務が忙しくて継続できない企業も多いですが、具体的にどのように取り組んだんですか?
小薗 氏|心理的安全性を高める上で1on1ミーティングは非常に有効ですが、やり方を間違えると逆効果にもなりかねません。私は、特に注意すべきことが2つあると考えています。まず1つ目が部下の話を聞く場であるはずなのに、上司が一方的に指導やアドバイスをしてしまうことです。
はやみ|たしかに!上司が話しすぎてしまうというのは、1on1ミーティングが続かない、成果がでない理由としてよく聞く話ですね。
小薗 氏| 2つ目が、1on1ミーティングで得た情報が、対象者と上司の間だけで「内緒話」になってしまい、経営層や関係部署に必要な情報が届かないケースです。 あくまでも1on1ミーティングの目的は心理的安全性を生み出す「組織的な取り組み」だからこそ、離職につながるような重要な情報を会社として把握すべきだと考えます。そのため、この目的から逸れないように常に意識しながら実施しました。
はやみ|目的を見失わず、組織として1on1ミーティングを機能させるために、工夫したことはありますか?
小薗 氏|3つの工夫を実践しました。1つ目は「2種類の面談の使い分け」です。具体的には体調や業務負担の確認、信頼関係の構築を目的とする1on1ミーティングとキャリア開発、評価、業務進捗確認を目的とし、指導やアドバイスを行うフィードフォワード面談を実施しました。
はやみ|面談の目的を分けることで、1on1ミーティングが本来の役割を果たせるようにしたのですね。2つ目の工夫は何でしょうか?
小薗 氏|2つ目は「TOiTOiによる個性分析の活用」です。面談者が対象者のパーソナリティを理解した上で面談することで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。
はやみ|事前に相手の特性を理解できるのは、面談の質を高める上で大きな助けになりますね。3つ目の工夫は?
小薗 氏| 3つ目は「面談内容の記録と共有」です。TOiTOi上に面談内容を記録し、スタッフ個々の状態を責任者が包括的に確認できるようにしました。これにより、問題が発生した場合にも、即座に対策を講じることが可能になりました。
ワンポイント!3タイプ別マネジメント方法
TOiTOiの独自分析により、対象者を理性タイプ・比較タイプ・感性タイプの3つのタイプに分類します。ここでは3タイプ別にマネジメントのポイントについて解説します。
理性タイプ
理性タイプはチームワークと調和を重んじる性質を持っているため、競争よりも協力を好み、和やかで支援的なチーム環境において最高のパフォーマンスを発揮します。 マネジメントでは、チーム内の協力を促進し、調和のとれた作業環境を作ることが重要です。
また、日頃の努力や仕事ぶりに対して、評価したり、感謝を伝えると、モチベーションの向上につながります。この時にできるだけ具体的に伝えるとより効果的です。 役割が明確になるほど、モチベーションがアップする傾向があるため、チーム内で役割を与えることも理性タイプをマネジメントする上でとても不可欠な要素です。また、面倒見が良く、相談に親身に応じるため、メンター役や指導的なポジションなどの役割を与えることで、チーム全体のスキルアップに貢献してくれるでしょう。
比較タイプ
比較タイプは、自分の努力や成果が明確に評価されることに大きな価値を見出します。モチベーションを高めるためには、成果や結果に基づいた評価システムが効果的です。目に見える成果に対して具体的なフィードバックを提供しましょう。
また、比較タイプは具体的で達成可能な目標に向かって効率的に働くことを好みます。そのため、明確な期日、ノルマ、目標を設定し、その達成に向けて自主的に動ける環境を整えるようにしてください。 負けず嫌いでライバル意識が強い傾向があるため、競争の機会を与えることで、比較タイプの成長を促進し、高い成果をあげるようになるでしょう。
感性タイプ
感性タイプは大規模なプロジェクトや新しいチャレンジに対して高いモチベーションを示します。大きなビジョンを与えることで、その情熱と創造性を活かし、プロジェクトや組織の重要な目標達成に貢献し、仕事に対する充実感と達成感を得るでしょう。
また、感性タイプは自分の努力が認められ、賞賛されることに大きな喜びを感じます。そのため、定期的に成果に対して表彰する機会を設けることで、更なるモチベーションの向上につながります。 さらに、自由度が高く、思いついたアイデアを試せる環境を整えることで、最高のパフォーマンスを発揮します。
「大丈夫ですか?」から「やっておきましたよ!」へ。一人の女性スタッフに起きた奇跡
はやみ|2種類の面談、TOiTOiによる個性分析の活用、そして記録と共有。これらの工夫が、実際の現場でどのように活かされたのか、具体的な事例があればぜひお聞かせください。
小薗 氏| 私の部下だった1人の女性スタッフの話をさせてください。彼女は非常に責任感が強く、真面目なスタッフでした。ある時期、仕事でのミスが続いたこと、プライベートでのお祖母様の余命宣告、お母様の精神的な不調などが重なり、強いプレッシャーを感じていると1on1ミーティングで話してくれました。
はやみ|仕事とプライベート、両方とも大変な状況だったのですね…。
小薗 氏|ええ。その後も状況は好転せず、翌月の1on1ミーティングでは、定年退職されたお父様が心の病にかかってしまい、実家の家計を支えるお母様の負担を心配し「自分がしっかりしなければ」という思いと「でも仕事もちゃんとやり遂げたい」という気持ちの板挟みで、強い不安を抱えていると打ち明けてくれました。
はやみ|誰にでも起こりうる話で、 聞いているだけでも辛いです。
小薗 氏|その翌月、彼女の方から「1on1をしてほしい」と要請がありました。話を聞くと、夜中にアルバイトスタッフから「無理しないでくださいね、大丈夫ですか?」と心配する電話をもらったそうで…。役職者である自分が、年下のアルバイトにそんな心配をかけてしまったことに「なんて情けないんだろう」と、ひどく落ち込んでいました。そして「なんとか立ち直りたいけれど、自信がない」と、私に伝えてくれました。
はやみ|限界に近い状態だったのですね。その状況で、小薗さんはどうされたのですか?
小薗 氏|私は、これまでの1on1ミーティングの記録を含め、彼女の状況を彼女の上司や関係者全員に共有し、組織として彼女を支える体制をすぐに整えました。この時「決して彼女一人で抱え込ませない」という強い意志で臨みました。
はやみ| TOiTOiに1on1ミーティングを記録していたことが役に立ったんですね。その後の彼女はどうなりましたか?
小薗 氏|驚くべき変化が訪れました。その翌月の1on1ミーティングでは、プライベートの状況がすぐに好転したわけではないにも関わらず、彼女の物事の捉え方が非常に前向きに、大きく変化していたのです。新しい業務にも意欲的に挑戦するほどでした。
はやみ|それはすごい変化ですね!何がきっかけだったと思われますか?
小薗 氏|店舗責任者を含む役職者全員が彼女の業務を積極的にフォローし、サポートしている姿勢が彼女に伝わったのだと思います。 そして、その様子を見ていたアルバイトスタッフたちも、極めて自発的に彼女のサポートをしてくれるようになったのです。私が事務所で最もよく耳にしたのは、彼女に向けたアルバイトさんたちの「あ、それやっておきましたよ!オッケーです!」という声でした。
はやみ|まさに組織全体で支え合う、理想的な状態ですね。「大丈夫ですか?」という心配の声が「やっておきましたよ!」という具体的な行動に変わったんですね。
小薗 氏|その通りです。このような周囲のサポートを受け、彼女のメンタルは大きく回復し、その後、目覚ましい貢献をしてくれるまでに成長しました。この経験から、TOiTOiを活用した1on1ミーティングと情報共有、そして組織的なサポート体制がいかに重要かを痛感させてくれました。
はやみ|もう一例、精神的な不調から回復された男性スタッフのお話もありましたね。
小薗 氏|ええ、彼は自責の念が強すぎる性格から、一時は投薬治療が必要なほど精神的に追い詰められていました。しかし、私の部署に異動してきてから、継続的に1on1ミーティングを実施し、対話を重ねる中で、最終的には通院も投薬も不要になるまで回復することができました。 これも、本人の努力はもちろんですが、TOiTOiを活用した対話が、彼の自己肯定感を育み、回復を後押ししたのだと考えています。
離職率8%減、売上11%増!数字が語るTOiTOi導入の確かな効果
はやみ|心理的安全性を軸にした3つの施策を実施したことで、会社全体としてどのような変化が見られましたか?
小薗 氏|目に見える成果が出てきています。まずは人材の定着率が向上しました。導入前に32%だった離職率が、24%まで改善したのです。
はやみ| 8%もの改善!これは素晴らしい成果ですね。定着率以外での効果はいかがでしょうか?
小薗 氏|TOiTOi導入後、会社全体の売上が11%上昇し、今期(令和7年9月期)には190億円の達成を目指せる見込みです。
はやみ| 売上にも明確な効果が出ているのですね!
小薗 氏|はい。さらに、組織トラブル・人的トラブルの減少です。店舗内でのトラブル件数が、前期比で40%も減少しました。これは、コミュニケーションが円滑になった証拠だと考えています。
TOiTOiは、経営者と同じベクトルを持つ幹部を育てるツールだ
はやみ|個々の事例をお聞きすると、TOiTOiを活用したコミュニケーションがいかに人の心を動かし、成長を促すかがよく分かります。これらの経験を経て、今後の展望についてはどのようにお考えですか?
小薗 氏|まずは心理的安全性を企業DNAとして根付かせ、組織文化をさらに進化させることです。一過性の取り組みで終わらせず、会社の文化として定着させたいと考えています。
はやみ|文化として根付かせる、素晴らしい目標ですね。
小薗 氏|そして、個々の潜在能力を最大限に引き出す環境を整え、人材育成を強化していきます。さらに新規事業への挑戦を支援し、企業の持続的成長を目指すこと、そして最終的には、収益を社会に還元し、より大きな価値を創造すること。これらが私どもが目指す未来です。
はやみ|心理的安全性を起点に、個人の成長、組織の発展、そして社会貢献へと繋げていく、壮大なビジョンですね。
小薗 氏|はい。心理的安全性を高めることは、これらすべてを実現するための鍵になると信じています。
はやみ|最後に、これからTOiTOiの導入を検討される企業の人事担当者の方々へ、メッセージをお願いできますでしょうか。
小薗 氏|経営者の方々と同じ方向を目指し、経営課題である実績向上と人材育成について、自分事として向き合える人材が、組織にどれだけいるでしょうか。 私はTOiTOiを実践してきて、確信していることがあります。それは、TOiTOiは、経営者と同じベクトルを持った幹部を育てる人材育成ツールであるということです。
はやみ|「経営者と同じベクトルを持つ幹部を育てる」ですか。
小薗 氏|はい。1on1ミーティングを通じて部下と向き合い、その情報を組織で共有し、対策を講じる。このプロセスは、まさに経営課題に現場レベルで向き合うことに他なりません。 もちろん、効果を実感するには時間がかかります。私も手応えを感じ始めたのは、導入から半年から1年近く経った頃でした。最初は「また面談か」と警戒されることもありましたが「これはあなたのために、あなたを良くするためにやるんだよ」という思いが伝わった時、組織の空気は確実に変わりました。
はやみ|時間はかかっても、諦めずに続けることが重要なのですね。
小薗 氏|その通りです。TOiTOiは単なるツールではなく、組織の文化を変え、人を育て、そして経営を強くする可能性を秘めています。ぜひ、その価値を多くの方に体験していただきたいと思います。
TOiTOiで「心理的安全性」を組織のDNAに!
はやみ| 株式会社エム・アイ・ディジャパン様は、TOiTOiの導入を通じて、心理的安全性を高める組織改革を実現しました。1on1ミーティングの定期的な実施や、オープンなコミュニケーションの促進、失敗を学びに変える文化の醸成など、具体的な施策が功を奏し、離職率の低下や売上の増加、組織トラブルの減少といった成果を上げています。
株式会社ロジック・ブレインのクラウドHRMシステムTOiTOiなら、社員の個性をAIで分析して行動傾向を把握し、それぞれの特性に合わせて最適なマネジメントを支援します。
引用元:TOiTOi公式サイト
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また、TOiTOiを導入しただけで終わらないようにするために、専門知識を有したコンサルタントによるサポートも提供しています。詳しくは、TOiTOi公式サイトよりお問い合わせください。