2021年1月21日公開

エニアグラムとは?9つのタイプを解説【注目される性格診断を紹介】

採用に関して、以下のような悩みを持ったことはないでしょうか?

 

・採用すべき人材像が明確に定義できない
・面接での期待値がことごとく外れる
・入社後の早期退職率が高い

 

採用者から見た理想の人材、応募者から見た理想の職場、どちらの理想も主観的なものなので、ミスマッチが起こるのは当然です。しかし現場では、そんなことを言い訳にはできません。

 

そこで最近多くの企業で注目されているのが、性格診断や適性検査といった客観的な人材評価ができる手法を活用した人事です。

 

採用に限らず、育成、人材配置でも、人の性格や思想を度外視し、「仕事だから」という理由のみで断行する人事は、これからのビジネスパーソンには受け入れられないでしょう。

 

主観的な判断ではなく、より客観的に人の性格を理解するために注目される性格診断ですが、本記事ではその中の一つである「エニアグラム診断」を取り上げて解説します。

 

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エニアグラムとは

エニアグラムという名称はギリシャ語がルーツとなっており、エニアが「9」、グラムが「図」をそれぞれ表しています。エニアグラム診断とは、人が持っている生まれつきの資質を9つのタイプに分けた性格分類学を指します。

 

エニアグラム診断のルーツ

エニアグラムという言葉のルーツは古代ギリシャ、古代エジプトにあり、『宇宙万物の本質を表す象徴』といわれています。性格論としては1960年代に作られ、多くの心理学者、人間学者が、この図をもとに人の性格分析を行うようになり、それが今のエニアグラム診断のベースとなっています。

 

日本では1989年に「日本エニアグラム学会」が設立され、エニアグラムを紹介しました。それ以降、効果の見込める自己成長システムの一つとして、ビジネスシーンからコーチング、カウンセリング、教育まで、様々な分野で取り入れられているのです。

 

参考元:日本エニアグラム学会『エニアグラムとは』

 

エニアグラム診断の目的と効果

エニアグラム診断の目的は、「自分に対する理解が深まり、他人を理解しやすくなる」ことです。

 

エニアグラムを学ぶことで、自分自身の中にある潜在的な良い部分を伸ばすとともに、何を改めるべきか知ることができます。さらに、他者とより良い関係を作ることにもつながるでしょう。

 

エニアグラム診断によって、自己理解・自己受容が深まり、他者理解・他者受容ができます。人としてどう成長していけばいいか、参考になるでしょう。そのため、エニアグラムは自己実現を目指すのに役立ちます。

 

海外と日本 エニアグラムへの認識の違い

海外では、多くの企業がエニアグラムの考え方を人材育成の研修などに導入しています。アメリカのような多様な人材が暮らす国では、島国である日本よりも、誰がどんな性格をしているのかを把握することが困難です。

 

海外ではそのような背景があり、国籍の違う人が同じ現場で働いていても、その人がどんな性格をしているのか、企業に対して何を求めているのかなどについて知るため、エニアグラム診断が活用されているのです。

 

日本でもグローバル企業をはじめ、エニアグラムを活用しているところが増えてきています。

 

性格診断を導入している企業は増えている

エニアグラム診断に限らず、性格診断や適性検査といった心理測定技術は、多くの企業が取り入れています。日本人の中でも価値観が多様化している世の中で、採用、配属、教育といった人材の管理を担当する人事にとって、客観的な心理測定技術は今後も必要とされるでしょう。

 

エニアグラム診断を解説

エニアグラム診断によって、以下の9つの性格へと分けられます。

 

1.改革する人
2.助ける人
3.達成する人
4.個性的な人
5.調べる人
6.忠実な人
7.熱中する人
8.挑戦する人
9.平和をもたらす人

それぞれの性格について詳しく解説します。

 

1.改革する人

公正と正義を心がけており、周りと自分を向上させるための努力を惜しまず、自分の理想に向かって進み常に改善することを考えています。

 

しかし自分の理想通りにならないと怒り、「もっとできるはずなのにできていない」と自分を責めてしまいます。それでも心の中に秘めた怒りを人前に出すことはめったになく、人と公平に接しようと努めるので、他人からはどんな時でも冷静に見えるタイプです。

「改革する人を表す言葉」

理想・正義・約束・改革・論理的・完璧主義など

2.助ける人

困ったり悩んだりしている人には、すぐに救いの手を差し伸べようとします。親切で温かい心を持っているため、人を助け、満たしてあげたいという気持ちが原動力となり行動するタイプです。

 

その気質ゆえに、相手が自分を必要としていないとわかると気持ちが落ち込み、感謝されていないと感じると怒りの感情を抱いてしまいます。自分の欲よりも他人のためになる行動を優先するのですが、その分の見返りとして自分への愛情を要求するのが特徴です。

「助ける人を表す言葉」

愛情・思いやり・支援・親切心・奉仕・自己犠牲など

3.達成する人

はっきりした目的、目標を持っており、その達成、成功のために手段を選びません。

 

しかしその反面、極度に失敗を恐れ、避けようとします。自分の周囲にいる人の才能を見抜く力を持ち、他人を良い意味で巻き込むことで成功へと導くリーダーとなります。組織としての力を発揮することが得意です。

 

成功を第一に考えて時間を有効に使うので、全てを効率的に動かそうとします。自分の可能性を最大限に伸ばし開花させたい、そのような気持ちが強く現れるタイプといえるでしょう。

「達成する人を表す言葉」

勤勉・リーダー・自尊心・目標・野心・組織など

4.個性的な人

行動重視で独創的、平凡な人だと思われることを嫌い人とは違う行動を大事にします。

 

他人の特徴を察知することに敏感なため、感受性が鋭く人のちょっとした気持ちの変化に対してもすぐに気づくタイプです。

 

個人主義で自分に対して極めて正直なところがあり、不特定多数のグループに入ることを避け、自分をしっかり理解してくれる人とのつながりを深めたいと考えています。個人主義が強いため、自分は他人から理解されていないという不満を持ち、他人に嫉妬心を抱く傾向があります。

「個性的な人を表す言葉」

想像力・独自性・ユニーク・個人主義・正直など

5.調べる人

何事にも慎重に行動するタイプで、データや情報を集め物事をじっくりと考え分析する気質を持っています。

 

考えることが中心なので、具体的な行動はあまりしない傾向にあります。

 

持っている知識を積極的に他人に分け与えたり、自分の考えを外に表現することはしません。傍観者や観察者としての立場を好み、自分の身の回りのことや他人のことには気が回らず、何かを犠牲にしてでも学びや知識を優先してしまうのが特徴です。

「調べる人を表す言葉」

知識・情報・分析・解析・研究・傍観者など

6.忠実な人

真面目で周囲の人と仲良くしたいという気持ちが人一倍強く、協力的な行動を取ります。忠実で責任感が強いので、人の協力を得て与えられた役割を精一杯に果たそうとするタイプです。

 

責任感の強さから、急に自分が間違ったことをしてしまうのではないかという不安に駆られ、気持ちに対処するために周りを頼ってしまいます。組織や、権力を持った人物に命じられたことは忠実に実行するでしょう。しかし自分自身で決断をすることが苦手で、結論がなかなか出ません。

「忠実な人を表す言葉」

真面目・誠実・責任感・組織・ルール・マナーなど

7.熱中する人

人生に多様性を求め、楽しく、明るく生きていたいと思うタイプです。

 

聡明な一面も見えて人を惹きつけますが、物事に熱中し自分に酔うナルシストな傾向もあります。

 

どんな時でも明るく振る舞い、深刻な状況も一変させ、嫌な出来事も楽しいものに変えてしまうでしょう。明るい将来、未来を計画し、夢を追うことが大好きです。その反面、辛いこと、自分を苦しめることを可能な限り排除しようとします。

 

束縛が嫌いで楽しく生きることを邪魔されたくないと考えており、落ち着きに欠けるところも見受けられます。

「熱中する人を表す言葉」

楽天的・聡明・快楽・欲・遊び・明朗など

8.挑戦する人

他人に頼らず、自己主張が強く、自分が正しいと思ったことを実行していきます。自分の弱さを見せることはせず、その行動からは自然と周囲に自信を感じさせるタイプです。

 

決断力があり、立場の弱い人や自分に助けを求める人を放っておきません。その反面、自分に敵対する人や挑んでくる人は徹底的に排除します。強烈な体験や困難な状況をあえて好み、乗り越えることに喜びと生きがいを感じ、不正を許さず好き嫌いがはっきりしています。

「挑戦する人を表す言葉」

力・独断・英雄・支配・権力・勝利など

9.平和をもたらす人

内面は常に穏やかに過ごしたいと思っているので、不快な状況に遭遇すると、できるだけ早く解消しようとします。忙しくしていても、内面の平穏と落ち着きを保つタイプです。

 

平和、円満という状況を好み、自分から事を荒立てることはしません。どちらかというと流れに身を任せ、環境に合わせるように動くでしょう。想像力が優れているので、時に大きな力を発揮します。人と争うのが嫌いなので、むやみに他人に価値観を押しつけません。

「平和をもたらす人を表す言葉」

思いやり・調和・一体感・日常・落ち着きなど

エニアグラム診断よる性格は3つにカテゴライズされる

エニアグラム診断による9つの性格は、それぞれ3つの「センター」に分類されます。

 

それぞれのタイプについて解説しましょう。

 

本能(ガッツ)センター

【平和をもたらす人・挑戦する人・改革する人】

 

負荷がかかると本能に頼り、行動によって物事を解決しようとする傾向があります。直感を大事にし、感覚に頼って物事を判断するタイプの分類です。

 

本能センターにいるタイプが、それぞれの役割を果たしている時は安定感が生まれます。センター特有のネックとなる感情は「怒り」で、本能、直感を信じすぎて間違った判断をしてしまうこともあるでしょう。

 

過去や未来ではなく、現在がもっとも大切な時間軸で、先を考えたり過去にとらわれたりということがあまりありません。

 

感情(ハート)センター

【助ける人・達成する人・個性的な人】

 

負荷がかかると感情に頼り、自分の気持ちを優先して物事を解決しようとする傾向があります。感覚的で、他人から自分がどう見られているかを優先するタイプの分類です。

 

感情センターにいるタイプは、自己イメージを大切にするので、自分らしさを重視します。感覚という不安定なものに根ざしているため、安定感が持ちにくい集まりといえるでしょう。センター特有のネックとなる感情は「恥」で、理想としている自分のイメージと実際の自分との差が大きいほど、恥と罪悪感を覚えます。

 

自己イメージの源泉となる過去を尊重し、心のバランスが取れていない時は目に見えているものではなく、過去の自分のイメージを見て平穏を保ちます。

 

思考(ヘッド)センター

【調べる人・忠実な人・熱中する人】

 

負荷がかかると思考に頼り、考えて物事を解決しようとする傾向があります。未来への不安に対処するべく予測分析をして、綿密な計画を立てます。物事を解明することで安心を得るタイプの分類です。

 

思考センターにいるタイプは、考えが先行してしまい様々な選択肢が浮かび上がります。それによって判断に迷い、決断することがなかなかできません。優れた観察力や調べる能力を活かすことができるかどうかが重要といえます。

 

センター特有のネックとなる感情は「不安」で、それも思考センター特有の思考力、観察力ゆえに生まれるものといえるでしょう。

 

重視する時間の感覚は未来で、これからの計画や将来のことを考える時は落ち着き、深く思考することで将来に向けた良い洞察が生まれます。

 

エニアグラム診断・性格診断の方法

エニアグラム診断とエニアグラムに近い性格診断の方法、活用する際の注意点を紹介します。

 

公開されている無料テストを活用する

一番簡単な方法は無料診断テストを使う方法で、エニアグラム診断のテストはwebで簡単に見つけることができます。例えば以下のサイトです。

 

エニアグラム無料診断

簡易導入テスト

90問回答式チェック

 

いずれかのテストを行い、まずは自分自身の性格を把握してみてはいかがでしょうか。

 

TOiTOiなど別の性格診断と併用を

弊社が提供しているTOiTOiなら、独自の研究機関によって集積した100万人以上の性格情報をもとに、統計、分析、検証を行った性格情報データベース機能を備えています。

 

 

TOiTOiには、エニアグラム診断の要素は入っていませんが、ビッグファイブやコンピテンシーといった要素を取り入れ、客観的でより正確に人の性格・個性を診断できるように作り上げたものです。

 

人事として採用・教育・人材配置を行う際に、人の個性や性格情報を重視するのであれば、エニアグラム診断だけ、ビッグファイブだけというように、一つの性格診断だけを頼りにしないように気をつけましょう。

 

例えば、エニアグラム診断+TOiTOiのように、いくつかの診断結果を複合的に活用することで、より確度の高い性格情報を蓄積できます。確度の高い人材情報は、会社にとって貴重な情報資産です。人事異動や新しいプロジェクトを立ち上げる際など、役に立つ場面は多数存在します。

 

 

まとめ

今回は、エニアグラム診断について、下記の項目を中心に解説しました。

 

・エニアグラム診断とは
・エニアグラム診断、9つの性格と3つのセンターを解説
・エニアグラム診断や性格診断の活用

このような性格情報は、冒頭に挙げた「採用のミスマッチ」の解消だけでなく、人によってはマネジメントにも役立ちます。

 

しかし、あまりに信じすぎるのは危険なので、一つの結果だけにとらわれず、あくまで参考情報として扱いましょう。

 

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