人材評価・育成にも活用できる!意外と知らないオブザーバーの役割を徹底解説

誰かに見られていると、襟を正して行動しようと思いませんか?

 

監視というと抑止的な要素が強まりますが、人は誰かに見られている、監視されていると思うと、見られても恥ずかしくない行動を取ろうとします。会議に入るオブザーバーの役割がまさに監視で、基本的には会議の行く末を見守る傍観者です。特段、何かをするというのはありません。

 

実はオブザーバーがいるからこそ、会議は有意義なものになり進行もスムーズになります。しかしながら、オブザーバーの重要性はあまり認知されていません。そこで今回は下記の項目を中心にオブザーバーについて解説します。

 

・オブザーバーってそもそも何?
・ただ見ているだけでいいの?
・言葉はなんとなく聞いただけで詳しくは知らない
・どんなメリットがあるの?

自社にとって必要な存在かどうか判断する際に、参考にしていただければと思います。

 

オブザーバーとは?

オブザーバー(observer)。観察者、観測者。元になるobserveは、ラテン語で監視するを意味するobsevareが、語源である。14世紀にフランス語のobserverから転じた。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 

 

オブザーバーとは上記のような意味から始まっており、観察者として事の成り行きを見守るという立場を持った存在です。ここではもう少しオブザーバーについて解説します。

 

オブザーバーは議決権のない傍観者

オブザーバーにとって大切なの役割はあくまで傍観者でいることです。そのため、決断したり意見を言ったりしません。また、会議における議決権はありません。あくまでも、会議の進行を見届けるために存在するので、ただ会議を聞いているだけという状態になる場合もあります。

 

しかし、その聞いているだけの状態が会議の質を高めることに繫がるでしょう。オブザーバーは社内の人間ではなく社外の人間を呼ぶ場合もあり、客観的な監視の目が入ることによってコンプライアンスを保てます。

 

アドバイザーとの違い

オブザーバーにしてもアドバイザーにしても、議題の内容に関する分野で知見を持った人が採用される場合が多いです。

 

二つの役割の大きな違いは、「発言の機会と主観性」と言えるでしょう。

 

オブザーバーは一言も話さない場合もあれば、客観的な視点で内容を捉えた意見が求められる時もあります。その場合、自身の経験や知識はベースとなっても主観的な発言をしてはいけません。アドバイザーはアドバイスを提供する役割なので、時には主観的な意見も交えてでも伝えたい内容が伝わり、改善へと繫がるように働きかけるための存在です。

 

オブザーバーの役割

オブザーバーとして任命される人は、専門性を持っています。その人に会議を監視・見守ってもらうことで、主観的な論点にならないようにするのがオブザーバーです。ここでは、オブザーバーとしての役割を果たすために大事なポイントを3つご紹介します。

 

・会議の進行を見守る
・公平な目線と発言
・専門的な助言

会議の進行を見守る

会議が進行していく中で気になることがあっても、自発的な発言は控えるべきでしょう。求められている立場は状況によって違いますが、オブザーバーは進行役ではありません。特定の人に肩入れをせず静観し見守ることに徹するのが大事です。

 

オブザーバーはいるだけで、会議の参加者に対して、客観的な視点により監視されているという意識が働くだけでも、十分な役割を果たしていると言えます。

 

公平な目線と発言

客観的で公平な目線を持ちましょう。前述したように特定の人や立場に肩入れするようでは役割を果たせません。

 

議論が展開していくと、例えば「賛成」「反対」のようにはっきりと意見や主張が分断される場合もあるでしょう。もしも、このような状況で発言を求められたら、どちらかに荷担するような意見を述べるのではなく「事実」のみを伝え、会議の場にいる参加者が冷静になれるような発言でなくてはなりません。

 

専門的な助言

専門性を期待され会議に招集されるオブザーバーは、会議の場において意見が分断された時ではなく、議題の主題における専門分野の知見が聞きたくて助言を求められることもあります。

 

特に新規事業を立ち上げる際など、多くの人にとってはこれから取り組む事業なので経験がありません。そういった際に専門性を買われたオブザーバーの助言は非常に参考になるでしょう。

 

この時も、基本的には事実や状況を伝え、「こうすべきだ」、「こうするのがいい」という方向性を示すような発言にならないように気をつけましょう。

 

オブザーバーに必要な要素

オブザーバーの役割を担える人材とは、どのような要素を持っているかを解説していきます。オブザーバーとしての役割を果たすため必要なのは以下の3つです。

 

・客観性
・専門性
・進行管理能力

それぞれの要素について解説します。

 

客観性

オブザーバーには客観性が必要なのは言うまでもありません。具体的には、会議が進行していく中で参加者達が「見えない」、「気づいていない」キーワードを見つけられる目線と思慮深さも必要です。

 

会話の内容、参加者の態度、場の雰囲気、時には議論が止まり沈黙する場面もあるでしょう。その時に会議の参加者はどんなことを考えているか、本人達が気づいていない細かい部分まで広い視野かつ、フラットで客観的な視点と思考が求められます。

 

専門性

発言や助言を求められる機会の有無に関係なく、その道のプロであることは重要な要素です。

 

新人への教育に利用する場合を除き、オブザーバーという役割を担うには専門性を持ち合わせていなければなりません。なぜなら、知識不足の人間が会議を観察していても、参加者の発言に緊張感が伴わず監視役として務まらないからです。

 

緊張感という意味では、役職や立場が上の人間が会議を監視する際も生まれるかもしれませんが、評価を気にしてしまい思い切った発言を抑制してしまう可能性があります。オブザーバーの存在は緊張感をもたらすことであっても、抑制することではありません。

 

進行管理能力

進行管理をするためには以下の3つの能力が欠かせません。

 

・議題がブレない
・発言しやすい雰囲気作り
・時間管理

このような能力が求められます。進行管理能力は本来は司会・進行役であるファシリテーターの役割です。

 

ファシリテーターは会議に参加するオブザーバーの管理も行います。オブザーバーが客観性を失い、積極的に議論に参加するような事態が起こると制止しなければなりません。

 

良いオブザーバーとなる資質を持った人は、ファシリテーターの役割も理解しているので進行管理能力が長けています。このような要素を持った人であれば、会議に対しても自分に対しても、客観性を持った人材だと言えるでしょう。

 

オブザーバーによるメリット

オブザーバーの役割や要素に続いて、オブザーバーが参加してメリットが生まれる場面についてご紹介していきます。以下の3つの場面でオブザーバーが活きるので、ぜひ活用してみてください。

 

・社内研修
・評価会議
・人材教育

それぞれの場面でのメリットを解説します。

 

社内研修におけるメリット

オブザーバーというと会議の場に参加するイメージが強いかもしれませんが、社内研修の場でも存在価値があります。

 

社内研修も大切な業務の一環ですので、人事評価が伴います。その際に、研修を行っている上司やベテラン社員に社員の指導に加えて、研修態度など評価の部分まで兼任させるのは効率的かもしれませんが、実際には双方の質が薄まってしまうでしょう。

 

さらに主観的な意見も加わってしまう可能性がありますので、監視の部分はオブザーバーを立てて客観的な評価を任せることで充実した社内研修を行えます。

 

評価会議におけるメリット

人事評価を決定する際には評価会議を行う企業もあるでしょう。

 

人の評価を決定する際には雇用主である経営者が、事業の成果や、個人的に期待を寄せている人材を評価する、といった主観的な評価の仕方も会社の仕組みを考えると間違いとは断言できません。

 

しかし、従業員は、会社に対して客観的で公平な人事評価を期待するでしょう。だからこそ、客観的な視点は重要です。大切な評価会議でもオブザーバーを取り入れて公平性を担保することで、良い組織作りに繫がるメリットが生まれます。

 

人材教育におけるメリット

オブザーバーという役割は見方を変えると、人材教育に役立てることも可能です。

 

本来オブザーバーは客観性や専門性を持って、会議や研修の場を見守る役割ですが、あえて新人や経験の浅い人材を会議に参加させます。ポイントは単なる見学ではなく、しっかりとオブザーバーという役割を与えてその場に参加させることにあります。オブザーバーとしての役割を通じて、自分が専門的な知見を持って、客観的な目線で会議を見届けるためには何が必要なのかを体感させるのです。

 

会議の場では、事業の方針を決めたり、新しい戦略が決まったりなど、重要なテーマが議題になります。確定事項として上司から伝達されるのと、会議の中でどのような議論が行われて実行に至ったのかを知るとでは、本人の学びに大きな差が生まれるでしょう。

 

オブザーバーの席を人材教育に活かすというのは、多くの企業が取り組んでいます。

 

オブザーバー活用がデメリットにならないための注意点

オブザーバーを活用してデメリットになることは本来ありません。あるとしたら、役割を果たせなかったか、使い方を間違っているかを疑うのが建設的です。

 

オブザーバーの起用がデメリットにならないためにも、社内の人間にするのか、社外から呼ぶのか、この会議には必要なのか、など使い方も大事ですが、何よりもオブザーバーとなった人が役割に徹することを心がけましょう。

 

もっとも大事なのがオブザーバーに選ばれた人が役割を果たすことです。オブザーバーが入っても直接的に大きなメリットが生まれない場合はあるかもしれませんが、客観的な監視が入るだけで会議の質を高める可能性があります。

 

一方で、オブザーバーの存在がデメリットとなるケースが以下の通りです。

 

・オブザーバーが暴走して会議にメインで参加しまう
・求められてもいないのにファシリテーターの役割を奪ってまう

オブザーバーが役割に徹することが重要です。

 

まとめ

今回は下記の項目を中心に、オブザーバーについて詳しく解説してきました。

 

・オブザーバーとは
・オブザーバーの役割
・オブザーバーに必要な要素
・オブザーバーのメリットが受けられる場面

オブザーバーの役割を担える人材は、会議や研修に限らず日常業務の中でも貴重な存在です。どんな業界の仕事でも、物事を俯瞰的に見られる人材は物事を正しく導いてくれます。組織の力を高めるためにも、オブザーバーという役割を上手く活用してみてください。

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