2021年6月24日公開
CMSとは|Webサイト運営の効率化とデジタルマーケティング機能
「CMSって何?」
「CMSで何ができるの」
CMSはWebサイトのテキストや画像のデータを一元管理するシステムです。Webサイトの運営管理に使用されています。
CMSにはさまざまなタイプがあり、自社の強みを活かすCMSを選択することが大切です。
この記事ではCMSについてより理解を深められるようにCMSについて下記の5点を中心にまとめました。
・CMSについて
・CMS導入のメリット
・CMS導入の注意点
・CMSの比較シェア
更にCMSはWebサイト運営だけではなく、デジタルマーケティングにも有効なツールです。CMSのマーケティング機能を活用することで、デジタルマーケティング施策を実施できます。ぜひ、CMSの導入や活用時にこの記事を参考にしてください。
CMSとは
CMSとは何か、基本情報から何ができるかといった機能について解説します。
CMSの基礎知識
CMSはContents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)の頭文字をとったものです。
Webサイトに使用する画像やテキスト・配置やテンプレートなどのデータ(コンテンツ)を一元管理するシステムです。CMSは一元管理したデータベースから自動でWebページを生成します。
そのため、専門知識がなくてもWebサイトを構築やテキストの大きさや段落を指定する、写真を入れるといったページの更新作業が簡単にできます。
このようにCMSなら、手軽にWebサイトを構築できるので、個人だけでなく企業でも活用されています。
CMSの種類と特徴
CMSは大きく分けて2つの種類に分けられます。それぞれの特徴を解説します。
オープンソース型
オープンソース型のCMSはソースコードを無償で開放しているCMSツールです。そのため誰でも自由に再配布・利用できます。
■オープンソース型CMSの特徴
・有志によってノウハウやプラグインについての情報が公開されている
・ソースコードが公開されているため、脆弱性を狙われてサイバー攻撃の対象になることもある
・システムの管理やアップデートを自身で管理する必要があるので、ある程度のITリテラシーが必要
独自開発型
独自開発型CMSとはWeb制作会社が独自に開発したCMSツールです。
■独自開発型ツールの特徴
・CMSツールの導入やサイト運営のサポート体制が整っている
・セキュリティ対策のサポートを受けることができるので安心
・設計・開発のコストがかかる
CMSの主な機能
CMSの基本的な機能を3つの観点から紹介します。
Webサイト管理機能
まずはWebサイトを管理する機能について紹介します。
コンテンツの管理
Webサイトを構成するテキストや画像・動画を管理する機能です。エクセルやスプレッドシートで作成した表やグラフも使用できます。ただし使用可能なファイル形式はCMSによって異なるので注意が必要です。
見たまま更新
ブラウザ上に表示されているのとほぼ同じ見た目のままで編集ができる機能です。画像とテキストの配置や大きさのバランスを確認しながらサイトのページを更新できます。
公開日時の設定
あらかじめ公開日時を設定しておくことで希望の日時に記事を配信できます。
ニュース配信
新しい商品やサービス、セールなどの情報をニュースとして発信する機能です。プレスリリースやSNSと連携させて広くニュースを拡散できます。
マルチデバイス対応
マルチデバイス対応とはサイトを閲覧したデバイスに適応したWebサイトを表示する機能です。 LINE株式会社が実施した『〈調査報告〉インターネットの利用環境定点調査(2020年下期)』によれば、日常的なインターネットの利用環境は「スマホのみ利用」が全体の5割を占め、最多です。このように現代ではネット利用の半数以上がスマホからとなっています。
引用元: LINE株式会社『〈調査報告〉インターネットの利用環境定点調査(2020年下期)』
この調査結果からも、オウンドメディアやECサイトなどWebサイトを作成する際には、モバイルファースト、マルチデバイス対応は必須だと言えるでしょう。
ユーザー管理機能
次にユーザー管理に関する機能を紹介します。
ログイン履歴の管理
CMSへのログインや行動をトラッキングする機能です。複数人でサイトを運営する場合誰がいつどんな変更を加えたのかを確認できます。
操作権限の管理
管理者と編集者・ライターなど役割に応じて異なる操作権限を与えて管理できます。一時的に外部のライターをお願いする時には、機能の一部のみに使用許可を与えるなど柔軟に対応できます。
マーケティング機能
最後にマーケティングに関する機能を紹介します。
会員ページ化機能
会員登録した人だけが閲覧できるページを作成する機能です。会員登録した人を見込み客としてリスト化してマーケティングに生かせます。
ブログ機能
ブログを作成する機能です。ブログ記事で情報を発信して見込み客の興味や関心を引きつけて顧客に育てる手法として有効です。
SEO機能
SEOとはサーチエンジン最適化のことです。SEO機能はGoogle検索の上位に表示させるための機能です。Google検索の上位をとれば検索からサイトへの流入が増えるため、ページビュー(ページを開いた数)が増加します。SEO対策はデジタルマーケティングに取り組む以上は必要です。
SNS連携機能
各種SNSと連携する機能です。例えばコンテンツの更新と同時にツイッターに投稿を発信できます。現代では誰もが何かしらのSNSサービスを利用しています。そこに情報をとどけることは情報の拡散に有効な手段です。
アクセス解析
アクセス解析とはWebサイトへの流入経路やサイト内でアクションを分析する機能のことです。サイト訪問者がどこからやってきたのか?どこで離脱したのか?どのページを見た人が買い物したのかなどを多角的に分析して対策を練ります。
A/Bテスト機能
A/Bテストとは同じ内容の異なるデザインのコンテンツを作って反応が良いほうを探るマーケティング手法です。A/Bテスト機能はA/Bテストの作成、実行、レポートまで自動で行えます。
LPO機能
LPOとはランディングページ最適化のことです。ランディングページとは広義ではサイト訪問者が最初に訪れるページのことです。最初に訪れたページからスムーズに成約に結びつけるようにサイトを構成します。またLPO機能なら、直接成約に結びつく狭義のランディングページを作成できます。
CMS導入のメリット
CMS導入のメリットを見ていきましょう。
手軽に自社サイトを持てる
通常のPCスキルがあれば手軽に自社サイトを構築できます。
CMSであればコンテンツデータの一元管理やレイアウト、リンクの管理が可能です。自動でサイト内の構造を整理してSEO対策ができるので、コンテンツ作成に集中できるでしょう。
デザインに関しても、テンプレートがあるので企業イメージにあったサイトを構築できます。仮に担当が変わってもWebサイトの統一感が維持できるのもメリットだと言えるでしょう。このようにCMSなら、基本的なITリテラシーがあれば自社サイトの運営を内製化できます。
複数人で分業できる
CMSには複数人でサイト運営を円滑にできるユーザー管理機能があります。
ユーザー管理機能では、ログイン履歴やサイト内アクションをトラッキングできます。また、役割によって機能制限することも可能です。ユーザー管理機能があれば役割を分担してWebサイトを運営できます。
デジタルマーケティングに有効
自社でサイト運営することは、展開の早いビジネスに対応するために有効です。
デジタルマーケティングでは継続的にサイトを更新すること、常に新しい情報にアップデートすることが求められます。サイト運営を内製化すれば時間の短縮になり、更新もスムーズです。CMSであればデジタルマーケティングに最適化したサイト運営が可能となります。
CMS導入の注意点
CMSを有効活用するために知っておきたい注意点を2点解説します。
導入の目的を明確にする
Webサイト構築の目的を明確にしましょう。CMSの機能は多数あります。初心者がその中から必要な機能を選ぶのは難しいかもしれません。そのためまずはWebサイトの規模・目的を明確にしてから、選ぶようにしましょう。
運用管理が必要
自社でWebサイトを運用するためにはメンテナンスは欠かせません。特に下記の2点は重要です。
・セキュリティ対策
・データバックアップ
通常の更新はともかくとして企業の資産であるデータを管理する以上は、一定以上のITリテラシーが欠かせません。
CMSの比較シェア
W3tecの「コンテンツ管理システム利用統計」によれば、オープンソース型のCMSとして代表的なWordPressは、全ウェブサイトの41.6%で使用され、CMSの市場シェアの64.9%を占めます。
引用元:W3tec「コンテンツ管理システムの利用統計」(2021年6月3日時点)
このようにCMSの中でもWordPressは、世界中で活用されています。そこで次は、WordPressを導入しているサイトを紹介します。
オリエンタルランドグループ コーポレートサイト
オリエンタルランドはテーマパークやホテルを運営する企業で、東京ディズニーランドを運営しています。
オリエンタルランドグループのコーポレートサイトは、トップのアニメーション表示が印象的で、企業の顔としてどんな活動をしているか直感的に感じられるでしょう。また画像が多く、必要な情報がシンプルに整理されているのが特徴です。
株式会社カカクコム コーポレートサイト
株式会社カカクコムは商品比較サイト「価格コム」を運営する企業です。
グローバルナビゲーションを目立たせて情報をカテゴリ分けしていて、必要な情報を探しやすいのが特徴。また頻繁に更新する情報を、プレスリリースとIRに絞り、常に最新情報がトップに出るようになっています。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)
アメリカを中心に世界に情報を発信するウォール・ストリート・ジャーナルもWordPressを活用しています。新聞の構成をベースとしながら、画像や動画を多く埋め込んであり感覚的に情報を取得できるのが特徴です。
まとめ
この記事ではCMSについて下記の4点を中心にまとめました。
・CMSについて
・CMS導入のメリット
・CMS導入の注意点
・CMSの比較シェア
CMSはWebサイトの運用を効率化するツールであるともにデジタルマーケティングにも有効な機能を備えています。デジタルマーケティングは今後さらに重要さを増してくる分野です。CMSを活用してWebコンテンツを充実させましょう。充実したサイトを活用してデジタルマーケティングで経営戦略の幅を広げましょう。参考にして下さい。