2021年12月9日公開
ビッグファイブ理論の特性5因子の情緒特性とは?概要や特徴についてまとめて解説
ビッグファイブ理論とは、心理学的にも信ぴょう性が高いとされている性格分析理論です。
ビッグファイブ理論では、開放特性、誠実特性、調和特性、外向特性、情緒特性の5因子によって人間の性格を分析、説明します。
そのため、採用面接や人員配置などの場面で活用する企業が増えています。この記事では、ビッグファイブ理論の中でも、下記の項目を中心に情緒特性について解説します。
・ビッグファイブ理論の情緒特性とは
・情緒特性の簡易診断
・情緒特性が高い人の特徴
・情緒特性が低い人の特徴
・ストレスに強い人材が良い人材とは限らない
ビッグファイブ理論の全体像については、『ビッグファイブ(特性5因子) ~何が理解でき、どのように活用できるのか~』を参考にしてください。
また、ビッグファイブ理論では、各因子の高低差によって人の性格を分析、説明する理論です。そのため、各因子の高低差によって特徴が異なるだけで、高いから良い、低いから悪いというように捉えないようにしてください。
目次
ビッグファイブ理論の情緒特性とは
情緒特性は、ストレス耐性やメンタル傾向を表す因子です。情緒特性を見ることで、ネガティブな状況に対する反応を知ることができます。
そのため、自分や対象者の情緒特性を知ることで、プレッシャーがかかる仕事や不安を感じるような出来事に遭遇した場合に、どのような反応を起こすか予測が可能です。
また情緒特性が低いと、プレッシャーに強く、高いと繊細で感受性が高い傾向があります。
日本人の美点として、優しい、真面目、几帳面、綺麗好きといったキーワードが挙げられるケースが多いです。さらに、新しいものを生み出すよりも既存のものを改善するのが得意なことから、日本人は情緒特性が高い民族だといわれています。
情緒特性を調べてみよう!
あなたの情緒特性が高いか低いか診断してみましょう。下記の5つの質問に対して該当するものに◯をつけてください。
◯の数が多いほど情緒特性が高く、◯の数が少ないほど情緒特性が低い可能性が高くなります。ただし、簡易診断にすぎないため、正確に診断したい場合は、有料の診断サービスなどを活用しましょう。
情緒特性が高い人の特徴
情緒特性が高い人は、人よりも感受性が高いことから、周囲の人の感情や空気を読むのが得意で、洞察力が高いのが特徴です。また、繊細さもあわせ持つことから、芸術肌な一面も持っています。
その一方で、ネガティブな出来事に反応しやすく、ストレスを感じやすい傾向があります。それゆえ、思った通りに物事が進まないと、イライラしたり、パニックになったりしてしまいがちなため注意が必要です。
情緒特性が高い人が活躍できるポジション
上記のような特徴から、情緒特性の高い人は危険を回避する力が強く働くため、事前に問題を考え、未来のリスクに備えておく危機管理能力が高いでしょう。そのため、問題点や欠陥を改善するような仕事、綿密な用意や準備が必要な仕事で活躍が期待できます。
また、高い感受性を活かして、クリエイティブな職種もいいでしょう。外的環境によってメンタルが左右されやすい傾向があるため、落ち着いて仕事ができる環境で、より力を発揮できます。
情緒特性が高い人に向いている仕事
問題解決・スケジュールや工程管理・ノルマの無い仕事等
情緒特性が高い人×他の因子
ここでは他の因子(誠実特性・開放特性・調和特性・外向特性)との関係性から、情緒特性の高い人の特徴を解説します。
このように他の因子と組み合わせることで、自分の性格や対象者の性格をより深く理解できます。
情緒特性が低い人の特徴
情緒特性が低い人は、ストレス耐性が高く、物事に動じない傾向があります。また温厚であまり怒ることのない人です。プレッシャーにも強いため、予期しないような事態が起こっても、落ち着いて冷静に対処できます。
その一方で、周囲の変化に鈍感になりがちなため、問題や危険に気付くのが遅いところがあります。また、リスクに対して楽観的に捉え、リスクを顧みずに大胆に行動してしまう場合もあるため、その点は注意が必要です。
情緒特性が低い人が活躍できるポジション
上記の特徴から、情緒特性が低い人は事業を立ち上げる部署や新規性のあるスタートアップなど、リスクを顧みずに大胆な決断や行動が求められるような環境で活躍できるでしょう。
また、ノルマや納期、締め切りが厳しい仕事など、プレッシャーがかかる仕事なども向いているといえるでしょう。
情緒特性が低い人に向いている仕事
ハードワーク、厳しい現場系の仕事・建設土木関係・営業・コールセンター等
情緒特性が低い人×他の因子
ここでは他の因子(誠実特性・調和特性・開放特性・外向特性)との関係性から、情緒特性の低い人の特徴を解説します。
このように他の因子と組み合わせることで、自分の性格や対象者の性格をより深く理解できます。
ストレスに強い人材が良い人材とは限らない
情緒特性は、ストレス体質を見る因子と考えられてきました。そのため、情緒特性が低い人材は、ストレスに強い人材=良い人材と考えられていたのです。
しかし、情緒特性が高い場合、危険察知能力が高いため、細かい部分に気がつくという特性があります。細部にわたってチェックでき、細かく指示を出すことが可能なため、マニュアルやルールブック通りに業務を遂行できます。
一方で情緒特性が低い場合、危険察知能力が低いため、細かい部分に気がつくことができずに、マニュアルやルールブック通りに業務を遂行するのが苦手です。
このように情緒特性は、ネガティブなことに対する反応だけを見るのではなく、特性の違いによるネガティブなことに対する反応の違いにまで着目しましょう。
ビッグファイブ理論の導入ならロジック・ブレインのTOiTOiにお任せ
引用元:株式会社ロジック・ブレインTOiTOi公式ホームページ
TOiTOiは、株式会社ロジック・ブレインが企画開発、運用を行っているクラウドHRMシステムです。TOiTOiなら、下記の3つの視点で、対象者の個性や能力を可視化できます。
TOiTOiでは、対象者の今までの環境要因や努力によって身につけた後天的な性格・特性を把握する手段として、ビッグファイブ診断を採用しています。
TOiTOiのビッグファイブ診断なら、Web上で60の質問に回答するだけで、ビッグファイブ診断を実施できます。
診断結果はレーダーチャートによって表示されるため、対象者の特性5因子の高低差を一目で確認できます。
さらにTOiTOiのビッグファイブ診断は、特性5因子ごとの平均値を偏差値に落とし込んで、それぞれの因子ごとに偏差値を算出し、ABCの三段階で評価します。
これにより、対象者の特性5因子を他者と比べた際に高いのか低いのかという点を、客観的に判断できます。TOiTOiのビッグファイブ診断なら、採用活動や人員配置などの場面で簡単にビッグファイブ診断の導入が可能です。
まとめ
この記事では、下記の項目を中心に、ビッグファイブの特性5因子の中から情緒特性に関して詳しく解説しました。
・ビッグファイブ理論の情緒特性とは
・情緒特性の簡易診断
・情緒特性が高い人の特徴
・情緒特性が低い人の特徴
・ストレスに強い人材が良い人材とは限らない
情緒特性は、ネガティブなことに対する反応を見る因子です。そのため、情緒特性が高い人はストレスに弱いと判断され、企業にとってはマイナスの人材と捉えられていました。しかし、情緒特性が高い人はネガティブなことに過敏に反応するため、高い危険察知能力を有しています。
そのため、情緒特性を見る際には、高いから悪い、低いから良いと判断しないようにしましょう。