女性の部下ってどう育てたらいいの?女性を活かすマネジメントの悩みをズバッと解決!

少子高齢化による生産人口の減少や、多様な人材を確保することで企業価値を高めるために、女性を活用する企業が増えています。また、政府も女性活躍推進法の対象範囲を広げるなど、女性の活用を推し進めています。

 

しかしながら、管理職候補となる女性の不足や、女性側の意識の問題などにより、思っている以上に女性の活用が進んでいない企業も多いのではないでしょうか?

 

そこで今回は、女性活躍推進法が施行される背景から、企業が抱える女性をマネジメントする際の課題とよくある疑問や悩みを、一般社団法人キレイデザイン協会の理事長でもある大沢清文氏にズバッと解決していただきました。

 

女性活躍推進法の改正によりどうなるの?

女性活躍推進法とは「働きたい女性が活躍できる労働環境の整備を企業に義務付けることで、女性が働きやすい社会を実現すること」を目的とした法律です。

 

正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。2016年4月に施行され、10年間の時限立法で、2020年6月1日に一部内容が改訂されました。

 

女性活躍推進法は下記の取り組みにより、働きたい女性の働く環境を整えていきます。

 

・自社の女性活躍に関する状況把握・課題分析

・課題を解決するための数値目標と取り組みを盛り込んだ、行動計画の策定および届出

・自社の女性活躍に関する情報の公表

2020年6月1日の改訂のポイントは3つです。

 

・女性活躍に関する情報の公開が必須

・女性活躍が進んでいる企業を認定する特例認定制度(プラチナえるぼし)の創設

・一般事業主行動計画(以下:行動計画)の策定・届出義務及び自社の女性活躍に関する情報公表義務対象の拡大

これらの改訂内容から、政府がより多くの企業で女性を活用することを求めているとわかります。

 

 

 

女性活躍推進法が施行される背景

そもそも政府が女性活躍推進法を施行し、女性の活躍の場を増やそうとしているのには理由があります。そこでここでは、女性活躍推進法が施行される背景について解説します。

 

少子高齢化により生産人口の減少

少子高齢化に伴い労働者不足の加速化が予想されています。厚生労働省の調査によれば、15~64歳人口は1995年の8,716万人をピークに減少を続け、2015年は7,708万人と減少局面に入っています。

 

引用元:厚生労働省『人口減少下で誰もが活躍できる社会に』

 

このように人口減少、高齢化により生産人口の減少が見込まれることから、労働力として女性のニーズが高まっています。

 

ライフステージの変化による離職者の増加

少子高齢化により生産人口の減少や、多様な人材を活用していこうという気運が高まっていることで、女性を積極的に採用する企業も増えています。

 

しかしながら、その一方で就業を希望しているものの、育児や介護を理由に働けていない女性が約300万人にも上ると言われています。また出産・育児による離職を経て再就職する際に非正規雇用者となる場合が多いのも事実です。

 

このような理由から、働きたいと思う女性が自分の能力を発揮できる労働環境を整えるために女性活躍推進法が施行されました。

 

企業が抱える女性をマネジメントする際の課題とは

多くの企業では女性の活躍の場を広げるために、女性管理職を増やす取り組みをしています。しかしながら、内閣府男女共同参画局の「就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)」によると女性の管理職の割合は他国に比べるとまだまだ低いです。

 

内閣府男女共同参画局『就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)』

引用元:内閣府男女共同参画局『就業者及び管理的職業従事者に占める女性の割合(国際比較)』

 

また世界経済フォーラムが公表した『ジェンダー・ギャップ指数2021』では、日本は先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中で韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果でした。

 

ジェンダー・ギャップ指数2021

引用元:男女共同参画局『共同参画』

 

特に「経済」及び「政治」における順位が低く、経済分野においては管理職の女性の割合が低いこと。パートタイムの職に就いている女性の割合は男性のほぼ2倍であること。そして女性の平均所得は男性より43.7%低くなっていることが指摘されています。

 

男女共同参画局『共同参画』

引用元:男女共同参画局『共同参画』

 

このように、女性を管理職にしようという気運が高まっているものの、実際は進んでいないのが実情です。みずほ総合研究所の調査結果によれば、女性の管理職が不足していて増えない主な理由は3つです。

 

・管理職候補となる女性が不足している

・女性側の意識

・周囲の認識不足

みずほ総合研究所『企業と女性の悩みから見た女性管理職育成の課題』

引用元:みずほ総合研究所『企業と女性の悩みから見た女性管理職育成の課題』

 

女性管理職が増えないのは、今まで女性管理職候補を育成していなかったため、管理職になるための必要な経験、能力を持つ女性候補者数が少ないことが大きな原因のようです。

 

女性は男性に比べ、妊娠出産、育児などによって、一時的にキャリアを中断する可能性が高いためキャリアプランが描きにくいです。また、企業側もライフプランの変化によって離職する可能性が高い女性を管理職候補として育成するよりも、男性候補者をメインに育成していたと考えられます。

 

その結果、女性管理職候補者が不足してしまい、いざ女性を管理職に登用しようと考えても候補者がいないため、女性管理職が増えないという悪循環に入っている企業が多いと思われます。

 

さらに男性中心の業界の場合、ロールモデルとなる管理職の女性がいないことで、管理職を目指すというキャリアプランを描きにくいのも女性の管理職が増えない原因の一つです。

 

今後企業が女性をマネジメントする際には、女性が管理職を目指したいと思える環境を整えていくことで、女性の管理職候補を増やしていく必要があるでしょう。

 

女性をマネジメントする際のお悩みをズバッと解決

企業にとっても、将来的に管理職になる女性を育てていく必要があります。しかしながら、公益財団法人21世紀職業財団が実施した『若手女性社員の育成とマネジメントに 関する調査研究』によれば男性の管理職の約3割が女性をどう育成したらい良いかわからないと回答しています。

引用元:公益財団法人21世紀職業財団『若手女性社員の育成とマネジメントに 関する調査研究』

 

そのため、女性の部下に対してどのように接すればいいのか?どのようなマネジメントをすればいいのか?悩まれている男性も多いのではないでしょうか?

 

そこでここではLB MEDIAのインタビューにも登場していただいた、コミュニティー作りのプロで、30年以上女性のマネジメントをされてきた大沢清文氏に女性をマネジメントする際のよくあるお悩みをズバッと解決していただきます。

 

今回お悩みを解決してくれる専門家 

 

 

大沢清文氏

一般社団法人キレイデザイン協会理事長

株式会社ブランドワーク代表取締役社長

大学中退後、生き方に迷い5年間で33の職を転々と繰り返した後、ひとりの尊敬できる経営者との出逢いからサロン経営をスタート。男性エステティシャン&メイクアップアーティストとして活動し、その後、エステティシャンのマネジメント業務に携わり、起業して3年で年商1億円のサロンを創り上げる。また私立女子校にエステ・メイク・ネイル・カラーなどのトータルビューティの学校プロデュースで本格的に教育事業へ参入。さらに「人生を、もっとキレイにカラフルに」を理念に一般社団法人キレイデザイン協会を設立し、理事長に就任。現在は、世界中のどこにいてもパソコン1つで仕事ができる環境を確立し、田舎の佐賀で暮らしながら、オンライン講座を全国・海外へ配信中。

 

HP:https://www.kiyofumi-osawa.com/

 

お悩みその①女性メンバーのやる気を引き出したい

今までは男性メンバーが中心でしたが、ここ最近女性メンバーが増えたことで、女性メンバーをマネジメントする機会が以前よりも増えました。そのため女性メンバーのやる気を引き出すために、自分なりに積極的にコミュニケーションをとったり、声をかけたりしていますが、思ったようにできません。

 

どうしたら女性メンバーのやる気を引き出すことができますか?

 

回答

男性同士の場合、指示を出したり、目標を与えることでやる気を引き出すことができたと思います。しかしながら女性が相手の場合、同じ方法ではやる気を引き出すのが難しいでしょう。

 

男性が女性をマネジメントする際には、まずは女性の頭の中を理解する必要があります。女性は男性と違い、明確な目標や目的が不要です。つまり、女性のメンバーに対して、一方的に指示を出したり、目標を押し付けてしまうとやる気を失ってしまう可能性が高いです。

 

そのため、男性が女性をマネジメントする場合は、まずはどのようにしたいのか?何がしたいのか?と話を聴いて、相手の考えを受けとめることから始めるといいでしょう。

 

 

お悩みその②女性中心のチームをマネジメントする際のポイントを知りたい

営業チームをマネジメントしています。会社が積極的に女性を採用することになり以前と比べると女性の人数が増えました。男性が中心だった時は、自分がマネジメントするチームは営業成績もよく、社内で表彰されることも多かったです。しかし最近は、チームの営業成績も低下し、メンバーの士気も下がっています。そのため、男性中心だった頃のやり方では通用しないのではと感じていますが、どのようにすればいいか分かりません。

 

女性中心のチームをマネジメントする際には、どのようにしたらいいのでしょうか?

 

回答

男性ばかりのチームなら、お互いにライバル視させ、競争させることで、チームの営業成績が上がったと思います。しかし、女性に対して同じようにやってしまうと、逆に営業成績が下がってしまう可能性が高いでしょう。

 

なぜなら、男性が一人で戦うことを好む一方で、女性は人に寄り添うことを好みます。そのため、女性ばかりのチームの場合、ライバル関係を作らせるのではなく、お互いに応援し合える関係を作ってあげる方が成果をあげやすくなります。

 

そのためまずは管理職であるあなたから、チームのメンバーをサポートすることから始め、お互いを応援し合うチーム文化を醸成していくといいでしょう。

 

 

お悩みその③自発的に動くチームを作りたい

テレワークの導入により、部下と顔を合わせる機会が減ってしまいました。そのため、これからは、メンバーそれぞれが自発的に何をすべきかを考え、そして行動できるようなチームにしたいと思っています。

 

しかしながら、以前は上司である私が一方的に指示を出していたこともあり、どのようにマネジメントしていけばいいかわかりません。

 

メンバー一人一人が自発的に考え、行動するようなチームにするためにはどのようにしたらいいでしょうか?

 

回答

私は、上司の仕事はみんなにポジションを作ってあげることだと考えています。そのため、上司が完璧すぎると、自発的なチームを作るのは難しいでしょう。

 

まずは、上司でもあるあなたが完璧な上司を目指さないようにしましょう。そして、率先してできないこと、苦手なことがあれば、自己開示して、メンバーに助けを求めてください。その時にメンバーから「私が手伝いましょうか?」という声があがってきたら、ぜひ手をあげてくれたメンバーにその仕事を任せていきましょう。

 

このようして、部下が活躍できるポジションをチーム内で作ることから始めることで、最終的に自発的に行動するチームを作ることができると考えます。

 

 

お悩みその④心理的安全性の高い組織を作りたい!

もっと積極的に自分の意見や考えをメンバーから発言してもらいたいと思っています。そのためにはチーム内の心理的安全性を高める必要があると考えています。

 

しかし、心理的安全性を高めるために行動を起こさなければと思ってはいるのですが、どのようなことから手をつけていけばいいのかわかりません。

 

チームの心理的安全性を高めるために、上司としてまず何から取り組めばいいのでしょうか?

 

回答

まずは、自分の意見や考えを発言しても安心だと思える環境を作るようにしましょう。そのためには、上司から自己開示をする必要があります。私の場合、まず自分から率先して奥さんに怒られた話とか、失敗談をみんなの前でするようにしています。

 

もし、今まで自己開示する機会がなかったなら、いきなり全員の前で自分の失敗談をするのはハードルが高いと思います。そのため、まずは部下との1on1の時など、1対1の場で話す練習をするのがおすすめです。

 

 

お悩みその⑤女性リーダーを育てたい!

今後、チームを引っ張る女性リーダーを育てたいと考えています。しかし今まで管理職には男性しか抜擢していなかったため、女性の管理職候補を選ぶところから始める予定です。

 

女性の管理職候補、リーダーを育てていくためには何から取り組めばいいでしょうか?

 

回答

管理職やリーダー候補を選ぶ際に、リーダーシップ力がある人など能力や才能がある人を抜擢してしまいがちです。しかし、私が管理職やリーダー候補を選ぶ際に大切にしているのは「あり方」です。具体的にいうと徳がある人を抜擢しています。

 

管理職やリーダー候補に必要なリーダーシップ力やマネジメント能力は後からでも鍛えることが可能です。しかし、「あり方」を変えるのは難しいです。そのため、管理職やリーダー候補を選ぶ際には、徳がある人つまり、率先して周囲の人を応援する人を選ぶといいでしょう。

 

率先して周囲の人を応援する人を選ぶことで、まずはこのチームのために何ができるかを考えて、行動してくれるため、他のメンバーにもいい影響を与えてくれます。それにより、女性のメンバーが活躍しやすい環境が整うでしょう。

 

そのためには、まずは常日頃から部下のチーム内での行動を観察し、管理職やリーダー候補を探すところから始めましょう。

 

 

まとめ

これからは女性がさらに活躍することが、社会の原動力になるかもしれませんね。今後、女性を活用していこうと考える企業の動きや、政府の後押しによって、働きたいと思う女性が自分の能力やスキルを発揮して、活躍できる環境が徐々にこれから整っていきます。そのため、その時代の波に乗り遅れないように準備しておきましょう。

 

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