2023年5月29日公開

新入社員だけじゃない!職場における五月病や六月病の原因と対策

五月病や六月病は、新入社員に限らず、多くの人々が抱える現代社会における問題の一つです。新しい環境に適応するためには、多くのストレスと不安を乗り越える必要があります。

 

特に新入社員は、学生から社会人になるという大きな環境の変化を経験するため、五月病や六月病になってしまうリスクが高まります。そこでこの記事では、下記の項目を中心に、五月病や六月病の原因や対策について解説します。

 

・五月病とは

・五月病になってしまう主な原因と対策

五月病や六月病に限らず、社員のメンタル不調は企業にとっても大きな問題です。新入社員に対して充実した就業環境を整え、生産性の高い社員へと育成することが、企業にとっても重要な課題であることは言うまでもありません。そのためには、メンタル不調に陥る前に対策を講じる必要があるでしょう。では早速、五月病の定義と六月病との違いについて確認しましょう。

 

五月病とは

まずは五月病の定義と六月病との違いについて解説します。

 

五月病の定義と六月病との違い

五月病とは、新入社員や新学期を迎えた学生などが、ゴールデンウィーク明けごろに、適応障害により身体的、心理的な不調を引き起こす現象を指します。新しい環境に適応するためのストレスや過度の期待が、その原因とされます。

 

五月病というのは、正式な病名ではありません。新年度がスタートしてから1か月ほどたった5月ごろに、職場のストレスや環境の変化により、仕事に対するモチベーションが低下し、身体や心に不調をきたすことから、五月病と呼ばれるようになりました。

 

新入社員や新学期を迎えた学生が五月病にかかりやすいと思われがちですが、決してそうではありません。新年度のスタートに伴う仕事量の増加、業務内容の変化などを受け、新入社員でなくても五月病にかかってしまう恐れがあります。

 

五月病の身体的な症状としては、倦怠感、頭痛、めまい、食欲不振などが挙げられます。また、心理的な症状として、不安感、ストレス、自己否定感、落ち込みなどが現れる場合があります。これらの症状が長期化すると、うつ病などの精神疾患につながる可能性もあるのです。

 

五月病の自覚症状と他覚症状

■自覚症状

・意欲低下(やる気が出ない、やる気が低下している)

・疲労感(疲れやすく、体力がないように感じる)

・睡眠障害(寝付きが悪く、夜中に目が覚める、起床が辛い)

・不安感(何かをするときに不安を感じる、不安が強くなる)

・抑うつ感(気分が沈んでいる、気持ちが晴れない)

 

■他覚症状

・態度の変化(普段とは態度が変わった、明るさがない、笑顔がない、話し方が変わった)

・ミスやミスの増加(仕事のミスが増えた、細かいミスを犯しやすくなった)

・遅刻や早退が増えた(仕事に遅刻したり、早退することが増えた)

・仕事の量をこなせない(仕事がたまっているのに、仕事が進まない、仕事が手につかない)

・コミュニケーションの減少(普段より話す回数が減った、声をかけても返事がない、人と話すことが億劫になっている)

 

また、五月病と同じく4月からの環境の変化が原因で、6月ごろに心身の不調が現れるケースもあり、これを六月病といいます。六月病は、5月の段階で気づいて対策を講じることで、防ぐことが可能です。つまり、五月病だけでなく六月病を防ぐためには、早期発見と早期対応が欠かせません。

 

五月病が引き起こす問題点

社員が五月病になると、仕事に対するモチベーションの低下やパフォーマンスの低下、体調不良による仕事の遅れ、休職や退職など、企業にとって深刻な影響が生じます

 

ヘルスケアテクノロジーズ株式会社が実施した「五月病に関する意識調査」によれば、五月病になったことがある人の中で、それが原因で休職や退職に至った人は、それぞれ約3割もいました。特に20代の場合は、「五月病が原因で休職に至ったことがある」が39.5%、「五月病が原因で退職に至ったことがある」も39.5%と、他の世代よりも10%ほど多いという結果が出たそうです。

 

このように、社員が五月病になってしまうと組織全体に悪影響を与えるため、五月病に対する適切な対策を講じることが、企業にとって重要です。

 

五月病になってしまう主な原因と対策

五月病になってしまう主な原因は四つです。ここではそれぞれの原因と対策を解説します。

 

環境の変化に対応できない

入社や転職、異動といった環境の変化に対応できず、五月病になってしまうケースがあります。特に学生から社会人になる新入社員にとっては、環境の大きな変化を経験するタイミングです。そのため五月病にかかりやすい傾向があります。

 

新入社員がスムーズに職場に馴染めるよう、環境変化によるストレスを軽減するような対策を講じるといいでしょう。具体的には、事前に情報提供やトレーニングを行う、入社後のフォローアップを行うプログラムを導入する、快適な職場環境を整えることで社員が気持ちよく仕事に取り組めるようにするといった施策です。

 

新しい人間関係に馴染めない

環境が変わると同時に、人間関係も変化します。新しい人間関係に馴染めずストレスを感じ、その結果として五月病になってしまう可能性が考えられます。

 

このような場合には、メンター制度を導入して新入社員が職場に馴染みやすい仕組みを構築するのがおすすめです。先輩社員がメンターとして付き、業務についてのアドバイスやコミュニケーションのサポートを行うといいでしょう。

 

また、アウトドア活動や飲み会など、新入社員を含めたチームが職場以外の場で交流を深めることも、新しい人間関係に馴染むきっかけとなり、五月病の防止につながります。

 

理想と現実のギャップ

新入社員が入社前から抱いていた「やりがいのある仕事」「自分に合った職場環境」といった理想と、実際に業務に従事して感じた「思っていたよりも単調でつまらない仕事だった」「人間関係がうまくいかない」といった現実との間にギャップがある場合、やる気や自信が低下して五月病になる可能性があります

 

このような事態を防ぐうえで、入社前に行われる教育や研修の充実や、社員の紹介・交流会など、職場環境や業務内容をより詳しく理解できる機会を設けたり、新入社員が実際に担当する業務内容や役割を適正化したりするのが有効です。

 

入社後に業務が単調であると感じた場合、やる気を失ってしまう可能性があります。企業側は、業務の多様化を図ることで、新入社員が自分の能力を活かせる業務を見つけやすくし、モチベーションを高く保てるようにサポートするのもいいでしょう。

 

入社後の目標を見失う

入社が目標となっていた人においては、入社後に目標を見失ってしまい、五月病になってしまうケースもあります。

 

このような場合、まずは目標設定の支援が重要です。具体的には、上司や先輩社員が定期的に面談を行い、入社後のキャリアプランや目標設定の相談に応じることが挙げられます。また、目標設定のための研修やセミナーを開催するのも有効です。

 

新入社員が入社後に目標を見失う原因の一つとして、自分の仕事の意義や社会貢献度を感じられないという点が挙げられます。企業側は、新入社員が自分の仕事がどのような社会的価値を持っているかを理解できるよう、教育や研修を行うことが大切です。

 

まとめ

今回の記事では、人事担当者の方々に向けて、五月病と六月病との違いや、五月病になってしまう主な原因と対策を解説しました。

 

五月病や六月病は、新入社員に限らず誰でも経験する可能性がある現象です。社員のメンタル不調をを回避するためには、企業側の支援が欠かせません。この機会に、社員のメンタルヘルス対策に取り組みましょう。