2020年10月28日公開
CRMとは?メリット・デメリットや活用のポイントを5分で紹介
「CRMってどういうもの?」
「CRMを活用して、顧客情報を活用して売り上げアップを狙いたい!」
CRMという言葉を知っているけどよく分からないと思われている方や、CRMを活用して本当に売り上げ上がるの?と思われている方も多いのではないでしょうか?
CRMはITツールを指す言葉だと、認識されている人も多いと思いますが、本来は、CRM(顧客関係管理)というマネジメント方法のことをいいます。そこでここでは、下記の項目を中心にCRMについて解説します。
・CRMの基本機能
・CRMを導入するメリットやデメリット
・CRMを導入後に上手く活用するポイント
ぜひ、自社の現状と照らし合わせながら、導入したらどうなるか?イメージしながら読んでいただければと思います。
CRMとは「顧客を第一に考えて利益を最大化する手法」
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客を第一に考えて自社の利益最大化を目指すマネジメント方法です。
つまり、CRMとは「顧客一人一人に合わせて営業活動を行っていく」方法のことをいいます。顧客ごとにアプローチ方法を工夫することによって、よりニーズに合った商品を売り込みやすくなります。
CRMでは、顧客情報の蓄積と管理が重要です。顧客情報をシステムに入力して、データを蓄積および全社で共有します。
これによって業務の効率化やマーケティング戦略の立案が行いやすくなるのはもちろん、業務の属人化を防ぐこともできます。
CRMを導入する前と後では、下記のような変化が現れます。
CRMが必要な理由は「顧客ニーズの多様化」
「CRMなど導入しなくても、わが社では問題なく業務が回っている」と感じている方もいるでしょう。しかし、顧客ニーズが多様化した現代で売り上げを伸ばしていくには、CRMを導入するのがオススメです。
従来であれば、良いモノを大量生産することで売り上げやシェアを獲得できました。しかしながら、豊かになった現代では、ただ単に「良いモノ」というだけでは、売り上げを伸ばすことは難しいでしょう。
CRMは、顧客ごとにアプローチを変えていくマネジメント方法です。良いモノを「すこし、お客様に合わせた形で」提案することで顧客満足度は上がり、売り上げアップにも繋がりやすくなります。
CRMとSFAとの違いとは
CRMと似た言葉に「SFA」があります。SFA(Sales Force Automation:営業支援システム)とCRMの違いは、「マーケティングに特化するか、営業活動に特化するか」です。
SFAの機能
・顧客情報の管理
・顧客へのアプローチ(プロモーション)
・PDCAの提案などレポート機能
CRMは顧客情報を社内に蓄積するため、蓄積したデータをマーケティング活動に活かしやすいです。一方で、SFAは営業活動の支援に特化しており、営業プロセスの効率化やPDCAサイクルを回すときに便利なシステムです。
最近ではCRMとSFAをセットにして販売しているITツールもあります。業務プロセスの効率化を目指すのであれば、CRMと同時にSFAも導入してみてはいかがでしょうか。
SFAについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
CRMシステムの基本機能
「CRMを導入すると、具体的に何が出来るのだろう」と悩んでいる方へ向けて、ここではでは、CRMシステム(以下CRM)の5つの基本機能についてご紹介します。
CRMの基本機能
・顧客情報の管理
・メール配信
・アンケートの実施
・問い合わせ管理
・セミナー・イベント管理
それぞれについて、詳しく解説します。
顧客・会員情報の管理
CRMでは、顧客の情報を一元的に管理します。
顧客情報がデータでまとめられているので、部署間での共有や最新情報のアップデートが簡単にできます。そのため、「A社の連絡先を知りたい」「B社の担当者氏名を知りたい」という時に、常に最新の情報を確認できて便利です。
メール配信
CRMに登録した連絡先を参照して、自社メールマガジンの発行を効率的に行えます。
システム上で顧客に対してメールを一斉送信できるため、効率的なアプローチが可能です。また顧客の属性に合わせて送信先をグループごとに分けたり、アンケート機能をもとに送信先を分けることもできます。
「自社メールマガジンを効率的に顧客に対して送信したい」と考えている企業におすすめの機能です。
アンケートの実施
CRMの専用ツールを活用すれば、顧客に対して手軽にアンケートを実施可能です。
簡易的なアンケートはもちろん、マウス操作のみで専用のアンケートフォームの作成ができるシステムもあります。またアンケート結果をもとにグループ分けをすることで、顧客の属性に合わせた自社メールマガジンの配信が、より手軽に行えます。
アンケートを頻繁に実施する企業や、メールマガジンの効果をよりアップさせたいと考えている企業におすすめの機能です。
問い合わせ管理
問い合わせ管理機能は、カスタマーサポートに力を入れたい、もしくは、顧客からの問い合わせ内容を蓄積し、マーケティングに活かしたい場合に最適な機能です。
問い合わせ管理を活用すれば、顧客からあった問い合わせ内容を全社で共有できます。これによって二重対応や対応漏れといったミスの発生を低減し、顧客満足度を向上させる効果が期待できるでしょう。
セミナー・イベント管理機能
自社セミナーやイベントを開催するとき、CRMを活用すれば申し込みフォームや来場者リストの作成などを効率的に行えます。システムによっては過去の顧客情報から、来場する確率の高い顧客を自動的に抽出することも可能です。
定期的にイベントを開催する企業なら、CRMのセミナー・イベント管理機能の活用をおすすめします。
CRMを活用する4つのメリット
CRMの機能は把握したけれど、導入するのは大変だと思っている方も多いのではないでしょうか?
ここでは、CRMを導入した場合の具体的なメリットを知りたいと考えている方へ向けて、CRMを活用する4つのメリットをご紹介します。
タイトルCRMを活用する4つのメリット
・顧客へのアプローチを効率的に行える
・顧客管理の精度が増す
・独自のマーケティング戦略を立案しやすくなる
・情報共有が効率的になる
詳細については、解説していきます。
顧客情報を正確に把握できる
CRMを導入すれば、顧客情報を正確に把握したり、蓄積したりできます。
従来であれば、顧客との接点を持っている営業担当者に顧客情報は集中してしまいます。また、顧客の好みや嗜好、詳しい情報は、営業担当者だけが自分の頭の中に覚えていました。
CRMを導入すれば、営業担当者が知っている顧客情報を文章化して、全社で共有可能です。これによって、作業の属人化を防ぐだけでなく、顧客情報をどの部署でも正確に把握できるようになり、作業の効率化が期待できます。
顧客へ最適なアプローチをしやすい
CRMに蓄積した情報を活用すれば、顧客に合わせたアプローチが実施可能です。
CRMの実施期間が長いほど、顧客の情報が蓄積されます。そのデータをもとに、顧客の属性に合わせたアプローチで営業をかければ、従来よりも成約率の向上が期待できます。
さらに顧客情報を蓄積したうえで分析すれば、独自のマーケティング手法を獲得できるでしょう。
独自のマーケティング手法を獲得しやすい
CRMで蓄積した顧客情報をもとにアプローチと改善を繰り返すことで、独自の勝ちパターンを得られる可能性があります。やみくもな営業活動から過去データを活用したアプローチになれば、成約率が向上し、同業他社との差別化要因となるでしょう。
PDCAを回して独自のマーケティング手法を発見するまでは大変ですが、CRMを上手く活用すれば独自の勝ちパターンを獲得できるチャンスがあります。
情報を一元管理しやすい
「A社の担当者と連絡先を知りたいけど、担当者が不在で仕事が進まない」
「担当者の急な異動や休職で、顧客情報がうまく継承されておらず業務が混乱している」
このようなトラブルに見舞われた経験をお持ちの方は、CRMを導入することで解決できるかもしれません。
CRMはシステム上に顧客情報を記載するので、情報が全社的に共有可能です。これによって作業の属人化を防いだり、全社的な作業効率の改善が期待できます。
また、知識が全社共有されることで、他部署からの意外な提案やアドバイスを得られたという声もあるようです。
CRMを導入する2つのデメリット
「CRMのメリットばかりが注目されているが、デメリットも知りたい」という方に向けて、次はCRM導入のデメリットを2つほどご紹介します。
CRM導入の2つのデメリット
・導入コスト
・効果が実感できるまで時間がかかる
詳細については、解説していきます。
顧客データの管理体制構築にコストがかかる
CRMの専用ITツール(ソフトウェア)を導入する場合、金銭的・人的コストが発生します。
専用のITツールを導入するのであれば、ソフトウェア購入代金が発生しますし、導入後もシステムに慣れるまで時間がかかるでしょう。また、CRM運用のルールを策定するためのコストも必要になります。
効果が表れるまで時間がかかる
CRMを十分に活用するには、顧客情報の蓄積が重要になります。よってCRM導入後からしばらくの間は、顧客情報が十分に集まるまで効果が表れにくいです。
しかしながら、メールの配信やセミナーへの招待など、すぐに活用できる機能もあります。
マーケティングに活かしたりアプローチを工夫したりするには、CRM導入からある程度の時間がかかることを意識しましょう。
CRMを導入後に上手く活用する3つのポイント
「自社にCRMを導入しても、うまく活用できるか不安」と悩んでいる方もいるでしょう。
CRMを活用するコツを一言でまとめると、「CRMを導入して何を実現したいのか」を明確にすることです。そこで下記では、CRM活用の3つのポイントについてご紹介します。
CRM活用の3つのポイント
・目標や課題を明確に言語化する
・目標達成に重要な要素を明確にする
・フォーマットを整備する
それぞれの、ポイントについてみていきましょう。
目標や課題を明確に言語化する
「なんとなくCRMを導入すれば売り上げが改善しそう」
「指示されたから、とりあえずCRMを導入しよう」
このようにCRMを利用する目標が明確になっていなかったり、なんとなくといった消極的な理由でCRMを導入するのはオススメしません。
CRMを導入する前に「なぜ導入したのか」「導入してなにを改善したいのか」を明確に言語化しておくとCRMの導入が成功しやすくなります。
一方で、目的が不明確であったりブレてしまったりすると、CRM運用コストが通常業務を圧迫することになりかねません。これでは、メンバーのモチベーションを低下させてしまうため注意しましょう。
目標達成に重要な要素を明確にする
CRM導入の目的が明確になったら、次は目的達成のために必要な要素を洗い出します。
CRMのソフトウェアは、製品によって搭載している機能に違いがあります。ソフトウェア購入前には、目的達成のために必要な機能を備えたツールを選ぶといいでしょう。
「顧客情報の管理機能が充実したツールを選びたい」「アンケートやセミナーへの招待機能が充実しているソフトを購入したい」など、自社業務に必要な要素を明確にしておけばソフトウェア選びの失敗を防ぐことができます。
フォーマットを整備する
CRMは、あくまで顧客管理のためのツールです。上手く使いこなすには自社の目的に合うよう運用ルールやフォーマットを整備する必要があります。
「CRMを導入したけれど、詳しい情報の記載は担当者任せ」という状況だけは避けましょう。
フォーマットが未整備だったり、運用ルールが曖昧だったりすると、データを参照しにくかったり、記入すべき情報がされていないなど、CRM導入のメリットが薄れてしまいます。
まとめ
今回は、CRMについて主な機能、メリットやデメリットなど、下記4つの項目に沿って解説しました。
・CRMの基本機能
・CRMを導入するメリットやデメリット
・CRMを導入後に上手く活用するポイント
CRMとは、顧客情報の管理・運用を徹底する手法です。
そのためCRMを活用し、顧客の属性に合わせたアプローチを行えば、成約率の向上が期待できます。もし、
「営業目標を達成するため、業務の効率化を行いたい」
「見込み顧客に効率的にアプローチしたい」
このように考えているなら、この機会にCRM導入を前向きに考えてみてはいかがでしょうか?