2021年5月25日公開

CAC(顧客獲得コスト)とは?マーケティングには欠かせない言葉

「CACってなに?」
「ほかにもLTVやCPAとか、似た単語がたくさんあっていまいちよくわからない…」

 

これまであまりマーケティングに関わってきておらず、このような悩みを持っている方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、下記の項目を中心に、CACについて紹介していきます。

 

・CACとは?

・LTVやCPAとの違い

・CACについて知っておくべき理由

マーケティングや広告にもっと力を入れたい、少しでも利益を向上させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

CAC (カスタマーアクイジションコスト)とは?

CACとは、「Customer Acquisition Cost」の頭文字をとった略称で、顧客を獲得するためにかかったコストを指します。

 

マーケティングや経営において、CACは非常に重要な数値です。ただし、CACといっても3つほど種類があるので、まずはそれぞれの違いを確認しておきましょう。

 

CACには3つの種類がある

CACは顧客獲得コストであると紹介しましたが、顧客の獲得方法によって、以下のようにそれぞれ名称が異なるので注意が必要です。

 

・検索などから流入し顧客になる:Organic CAC

・広告から流入し顧客になる:Paid CAC

・両方の要素を兼ね備える:Blended CAC

CACである点は変わりませんが、どこを改善すればいいのかを検討する時のために覚えておくといいでしょう。

 

CACはどうやって計算する?

CACの数値は「顧客獲得にかかった費用÷新規顧客数」で求めることが可能です。

 

顧客獲得にかかった費用として、下記のようなものが該当します。

 

・マーケティング
・広告
・人件費
・営業費用

上記のような取り組みによって新たに獲得できた顧客の数で費用を割ると、CACが求められます。どのくらいコストがかかっているのか確認することは経営において非常に重要な項目のため、必ず押さえておきたい数値と言えるでしょう。

 

またCACの数値を算出できれば、ユニットエコノミクスの把握が可能になるため、コスト削減やコストの最適化にも役立ちます。

 

CACとLTVは違う!LTV(ライフタイムバリュー)とは

CACは顧客獲得コストを指しますが、LTVも似た意味のものと捉えている人もいるかもしれません。しかしLTVは「顧客生涯価値」を示す指標です。

 

顧客生涯価値とは、顧客が自社のサービスや商品をどのくらい利用し、利益を生み出してくれるのかを数値化したものです。

 

LTVは、「平均購買単価×購買頻度×継続購買期間」により求めることができます。

 

LTVは、顧客の満足度を反映する数値の1つでもあります。そのため数値が高い場合は問題ないですが、下がってしまっている時には原因や対策を見出し、改善していくことが重要です。

 

CACとCPAの違いは?

CPCとCPAはどちらも顧客獲得単価を指します。ただし、CPAは主に広告を通して獲得する顧客の獲得単価を指し、CACとは使う場面が違います。

 

CACは全体で考えた際の顧客獲得単価、CPAは顧客単価の中でも広告を活用して獲得した単価というイメージです。

 

CPAは、「広告費÷CV数」で求めることができます。

 

CACを知っておくべき2つの理由

ここまでLTV、CPAとの違いを紹介してきました。ここからは、CACについて知っておくべき理由を説明します。CACを知っておくべき理由は、主に以下の2つです。

 

・ユニットエコノミクスを把握するため

・マーケティングチャネルの把握

それぞれ見ていきましょう。

 

ユニットエコノミクスを把握するため

ユニットエコノミクスを把握するためというのが、1つ目の理由です。ユニットエコノミクスとは、顧客1人に対してかけられる費用や採算性を指します。

 

このユニットエコノミクスを把握しないと、下記の項目などを把握できません。

 
・顧客に対してかけられる費用
・予算の算出
・顧客1人分の利益

そのため、ユニットエコノミクスの把握は必須事項と言えるでしょう。

 

例えば、サービスの利用者を増やすために広告を打つ施策を選択したとしましょう。広告を大量に打てば、利用者は増えるかもしれません。とはいえ、広告費と利用者の増え幅が利益に見合ってなければ、全く意味がありません。

 

利益を出しつつ利用者を増やすためには、広告にどの程度の予算が使えるのかを把握し、費用をかけすぎないことが重要です。この際に必要なのが、まさにユニットエコノミクスであり、ユニットエコノミクスを把握することで適切な広告予算を決めることが可能になります。

 

このユニットエコノミクスは、「LTV÷CAC」で求められます。そのため、LTVとCACを知っておく必要があるのです。

 

マーケティングチャネルの把握

マーケティングチャネルとは、商品が買われるまでの経路を指します。具体例としては、以下のようなものが挙げられます。

マーケティングチャネルの具体例

・SNSで商品を知って購入

・CMや広告で商品を知って購入

・店頭で店員さんからすすめられて購入

購入に至るまでの経路は多様で、マーケティングチャネルは購入に至るまでのこれらの経路を指します。CACとマーケティングチャネル双方の知識があれば、より効率的に利益をあげることが可能です。

 

というのも、顧客獲得コストが低い場合は、そのチャネルにより大きな力や費用をかけて拡大できますし、コストが高い場合は、見直すことで対策や改善を行えるからです。そのため全体のCACはもちろん、チャネルごとのCACの把握も必須と言えます。

 

利益が伸び悩んで困っている場合は、まずチャネルごとのCACを見直し、本当に必要なチャネルに力を入れられているのか確認するといいかもしれません。

 

まとめ

CACとは「顧客獲得コスト」を指します。CACにも3種類あり、顧客になるまでの経緯によって呼び方が変わります。

 

またLTVは顧客の生涯価値、すなわち顧客がどのくらい利益を生み出してくれるのかという値を指し、CACとは別のものです。

 

一方で、CPAはCACと同じ顧客獲得コストを指します。ただしCPAの場合、主に広告を利用して獲得した顧客が対象で、使う場面が若干異なるため、混同しないように注意が必要です。

 

CACについて知っておくだけで、様々なマーケティングを実施する上で役立ちます。マーケティングに力を入れたい、これから改善していきたいと考えているのであれば、覚えておくのがおすすめです。

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