2023年9月27日公開
オーダーメイドの背後にはTENPiNありー長崎の小さな店から学ぶ接客極意とは
完全予約制の完全オーダーメイドでパワーストーンの販売を行っているのが、Pastelの久富紀子氏です。株式会社ロジック・ブレインが主催するLOGIC BRAIN AWAR2022年で、弊社のクラウドCRMシステムLBA(現在のTENPiN)を活用して、タイプ別の接客について発表していただき、参加者から大きな反響がありました。そこで今回久富氏に現在の活用方法や、新しい取り組みについてお話を伺いました。
目次
LOGIC BRAIN AWAR2022もたらした変化
はやみ|久富さんのビジネスの始まりについて教えていただけますか?
久富 紀子氏|2016年、7年前に長崎でパワーストーンの店を開業しました。お店の最大の特色は、完全予約制と完全オーダーメイドのサービスです。多くのパワーストーンの店はチェーン展開や即販を主体としていますが、私はお客様一人一人と真剣に向き合い、ヒアリングを基にしたオーダーメイドの提供を心がけています。その結果、お客様からの紹介が増え、今では新規のお客様のほとんどが既存のお客様からの紹介となっています。
はやみ|昨年、LOGIC BRAIN AWAR2022(以下アワード)に登壇もされましたが、LBA(現在のTENPiN)※を導入したきっかけは何かあったのでしょうか?
※TENPiN(旧LBA)は、株式会社ロジック・ブレインが開発提供するCRMツールです。TENPiNを活用することで、商談履歴、スケジュール管理、顧客情報管理ができます。それだけでなく、顧客の個性や性格・意思決定の傾向を100万件を超えるデータベースから導き出すことで、コミュニケーションの最適化が可能となり、売上向上が期待できます。
久富 紀子氏|日本の天然石市場は1000億円以上といわれており、競争が激しい市場です。激化市場を生き残るためには、お客様との信頼関係の質の向上により、リファラル率の向上が欠かせないと考えました。そこで、お客様一人一人のタイプやニーズを深く理解するためのツールとして、LBA(現在のTENPiN)を導入しました。
はやみ|一対一での接客を大切にし、お客様のニーズをしっかりと捉えることで、差別化を図っているのですね。アワードでは、3タイプと心理学・行動経済学で使われる効果を掛け合わせることで、顧客の購買意欲を後押ししたり、顧客満足度を向上させたりする取り組みについて発表していただきましたが、参加されたことで何か変化はありましたか?
久富 紀子氏|私にとってアワードは、自店のサービスや接客について、より理解を深めるきっかけになりました。
アワードの発表のために顧客分析をした際に、12タイプの中で極端に少ないタイプがありました。なぜ、このタイプが少ないのかを考えた時に、私がお客様が求めている情報が提供できていなかったせいではないかと気がつきました。
そこで、そのタイプに合わせた接客を心がけることで、今まで購入に結びつかなかったお客様に購入していただくことが増え、結果、お客様の幅が広がりました。
はやみ|実際にタイプ別の接客を行うためには、まずは顧客分析し、現状を知ることがはじめの一歩ですね。
3タイプ×心理的効果
3タイプとは、LBA(現在のTENPiN)の独自分析により消費行動を起こす際の判断基準や行動パターンから、理性タイプ・比較タイプ・感性タイプに分類したものですそれぞれのタイプに合わせて、心理学・行動経済学で使われる効果を掛け合わせることで、より効果的に顧客の購買意欲を後押しすることに繋がります。
Keyword 3タイプ(理性タイプ・比較タイプ・感性タイプ)
TENPiN(旧LBA)の独自分析により、対象者を理性タイプ・比較タイプ・感性タイプの3つのタイプに分類します。理性タイプは「良い悪い」。比較タイプは「必要か不要か」。感性タイプは「好きか嫌いか」というようにタイプによって判断基準が異なります。顧客がどのタイプかを知ることで、消費行動を起こす際の特徴が分かり、それにより提案の仕方や接客の際に重視することなどを把握できます。
久富流!TENPiNの活用方法
はやみ|ちなみにアワードの発表から10ヶ月経過していますが、接客面において何か変化はありましたか?
久富 紀子氏|お客様に対する対応が明確になりました。それによりお客様に満足していただき、ご紹介していただけるという好循環が生まれました。おかげ様でご紹介だけで予約が埋まっていく状況が続いています。
また、以前に比べると一人当たりの顧客単価もアップして結果、全体的売上が向上しています。
はやみ|すごいですね!お客様に対する対応もきちんと明確になったということですが、具体的に教えてください。
久富 紀子氏|私は感性タイプのためクオリティの良さや特別感は出せるのですが、その一方で、割引とかノベルティの配布などの施策が手薄になってしまいます。接客でもその傾向があって、比較タイプのお客様になかなか割引や特典の話が苦手でできていないことがありました。
けれど、お客様のタイプを把握したことで、比較タイプのお客さまに対して「プラス1品購入していただくと10%割引します」というように、自信を持って情報提供できるようになりました。その結果、お客様の満足度が上がり、単価アップに繋がったと考えています。苦手意識を感じていたタイプのお客様からの購入が増えただけでなく、紹介も増えました。
はやみ|お客さまのタイプに合わせて、必要な情報を提供できるようになると、満足度も向上しそうですね。他にもありますか?
久富 紀子氏|例えば、SNSの発信ではお客様のタイプに合わせて、画像や内容を変えることで、より多くの反響や問い合わせを得ることができるようになりました。
はやみ|タイプ別の接客を心がけるだけで、今までの接客で取りこぼしてしまっていたお客様をしっかり購入に繋げ、さらに単価アップや紹介に繋がるんですね!改めて、お客様のタイプに合わせた接客って大事ですね。
TENPiNの機能その1 営業戦術
TENPiNは、ロジック・ブレインの統計学を用いた個性診断をベースに、顧客と担当者の相性を自動で分析します。営業時の状況に合わせた、最適なアプローチ方法を提案します。
例えば、顧客のタイプがリサーチタイプの場合、下記のような提案を自動的に行います。
アポイントの事前準備
・数値できちんと説明できるような資料
・簡潔明瞭な資料(データよりも絵や写真が分かりやすい)
・商品説明のための調査データを質・量ともに準備する
・抱く疑問点に随時丁寧に答えられるように、商品やサービスに関する知識や情報を充実させておく
上記のように、アプローチからアフターフォローまで、営業活動のあらゆる場面に対して、タイプごとにどのようなコミュニケーションを取ればいいのか提案します。
久富さんと探る「幸せ×組織」の秘密
はやみ|LBMEDIAのテーマとして「幸せ×組織」をあげています。久富さんが考える、理想の「幸せな組織」とはどのようなものですか?
久富 紀子氏|私のお店は個人でやっていますので、そういう意味では組織とはちょっと離れた世界にいるのかもしれません。ただ、それとは別にコンサルタントとして、多くの企業をサポートさせていただいている立場でもあります。
先日訪問させていただいたクライアント様のところで「どのような組織が理想か?」という質問を投げかけた際、多くの方が「コミュニケーションがスムーズに行える組織」と答えられました。それは私の心の中でも共鳴するものでした。
良いことも、悪いことも、きちんと話し合い、理解し合える環境の重要性は計り知れません。この心理的安全性という要素は、組織の健全性において絶対に欠かせないものだと考えています。
組織に所属する全ての人が心理的安全性を感じられている組織は、家族みたいだと思うと同時に、そこには幸せな空間があるように思います。
はやみ|幸せな組織とは、心理的安全性が確保されている組織。確かに安心できる職場は温かみもありますよね。では最後に、今後の展望を教えてください。
久富 紀子氏|業種や業態に関わらず、現代ビジネスの最前線では、SNSやWebといったデジタルの力が無視できないほどの影響を持っています。
私自身もアワードでの発表を通じて、その部分がまだ十分に活用できていないことを痛感しました。このデジタル領域の強化は、今後、私の成長戦略の中心として位置づけ、お客様への更なる付加価値の提供を目指しています。
また、コンサルタントとして、組織が抱える人に関する問題に直面する中で、それぞれの社員が最大限に輝く場を提供していくことが重要だと考えています。人は組織の宝、それぞれの個性と能力を最大限に引き出し、活かすことで、組織全体の活力と生産性を向上させることができます。
だからこそコンサルタントとして、ただ組織の問題を解決するだけでなく、一人ひとりの社員がその能力と情熱を最大限に発揮できるような環境を作り出すこと。そのための取り組みができるように精進していきたいと思います。
はやみ|久富さんのコンサルティングによって、長崎に幸せな会社が増えていきそうですね。本日はありがとうございました。
後日インタビュー動画
LOGIC BRAIN AWARD 2023 開催のお知らせ
はやみ|LOGIC BRAIN AWARD2023が今年も開催決定!今回のインタビューでも触れられたアワードは、2023年10月28日(土)に大阪市住吉区の住吉大社吉祥殿にて5回目の開催となります。
今年のテーマは「未来への勝利の鍵:変化するテクノロジーの力」です。このテーマのもと、プレゼンターの方々がどのように「パーソナル分析」を駆使して組織内の「人」の問題を解決に導いたのか、その具体的な事例を共有します。
参加していただくことで、ロジック・ブレインの具体的な活用事例を知ることができ、貴社の問題解決のヒントを得られるはずです。あらゆる業界の実例が共有されるため、導入を検討中の企業や初めての企業にも多くの学びがあります。
会場での参加以外にも、オンラインでの参加が可能。遠方の方やスケジュールが合わない方も、オンラインで参加を通じて楽しむことができます。
今年のアワードも、テクノロジーと組織の可能性を追求する全ての方々にとって、貴重な学びと交流の場となること間違いなし。ぜひ、この機会にLOGIC BRAIN AWARD2023にご参加いただき、未来への勝利の鍵を手にしてください。
詳しい参加方法やスケジュール等、詳細は公式サイトをご確認ください。